トランプに“負けない”日本企業の条件とは? (2/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

トランプに“負けない”日本企業の条件とは?

このエントリーをはてなブックマークに追加
市岡ひかりAERA#ドナルド・トランプ
企業が抱えるリスクは、フォードやトヨタ自動車のように、名指しで批判されることだけではない。思わぬところで反トランプ派と支持派の攻防に巻き込まれ、不買運動にまで発展するケースも多発している (※写真はイメージ)

企業が抱えるリスクは、フォードやトヨタ自動車のように、名指しで批判されることだけではない。思わぬところで反トランプ派と支持派の攻防に巻き込まれ、不買運動にまで発展するケースも多発している (※写真はイメージ)

●PRのつもりが…

 1月16日、川崎重工業の米グループ会社であるカワサキモータースUSAが、米国の人気テレビ番組「アプレンティス」に登場した。有名人が課題を与えられ、クリアしていくという娯楽番組で、この回は「カワサキブランドのオートバイをPRする」というのが課題だった。

「いいPRになるんじゃないか」。現地法人の担当者はそう考え、出演のオファーを受けた。ただ、この番組は、以前トランプ大統領がホスト役をつとめ、「お前はクビだ(YOU’re fired!)」という決めぜりふでお茶の間の人気者になったもの。現在でもエグゼクティブプロデューサーとして名前を残している。

 番組が放送されたのは、大統領就任の4日前。国民とメディアの関心が高い時期だったのが災いした。

「カワサキが『アプレンティス』のスポンサーをしている!」

 反トランプ派の視聴者がツイッターに投稿。製品の不買を呼びかける人まで出始めたのだ。

 騒動の拡大を恐れた現地担当者は、米メディアからの取材に対し「トランプ氏が番組に関わる限り、番組には関与しない」などと発言。この発言から「カワサキがトランプ氏の番組スポンサーを降りた」と、現地メディアで報じられ、さらに話が大きくなってしまった。

 驚いたのは川崎重工業の本社だ。そもそも実際には1度限りの出演で、番組のスポンサーも務めていない。現地担当者の発言は、寝耳に水だった。「現地担当者の発言は、会社の見解とは異なる」と、公式サイトやSNSを通じて発表し、騒動の火消しに回る事態となった。

●金融業界など追い風

 川崎重工業の広報担当者は「50年以上アメリカで事業を展開しているが、政治的にはニュートラルな立場を貫いてきたのに」と困惑気味に語る。

 グローバルに事業を展開する以上、どこでトランプ大統領とつながるか見通せない。ただ、日本企業が受けるのはマイナスの影響ばかりなのだろうか?楽天証券経済研究所の窪田真之所長は「大統領の政策は、長期的に見れば世界経済にとってマイナス」と前置きしつつ、短期的には恩恵を受ける日本企業もあるのではと予測する。

 最も利益が大きいとみるのは、金融業界。長期金利の上昇や金融規制緩和により、米国でもビジネスを展開する三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行に追い風となる可能性がある。


トップにもどる AERA記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい