チェックされた住宅地図は都内の事務所で編集。その後、北九州市の生産拠点に集約しデジタル入力する。この地図のデータベースは住宅地図に使われるほか、カーナビやグーグル、ヤフーといったポータルサイトに販売される。ゼンリンによれば、調査員は全国に約1千人。全国に70近い拠点があり、大都市には2、3カ所置いている。調査の頻度は変化が激しい都市部で毎年、地方は2~5年に1回。鳥羽さんは「東京担当」で東京23区を受け持つ。社員のほか、準社員やパートなど約50人が、こうして日々歩き続けている。

「犬にズボンの裾を破られたこともあります(苦笑)」(鳥羽さん)

 ゼンリンは今、自動運転を補完する地図の開発に携わり、ドローンを自動で飛ばすための地図作りも視野に入れている。

「テクノロジーや時代にあわせた地図を作っていきたい」(ゼンリン広報室の山口朋希さん)

(編集部・野村昌二)

AERA 2017年2月20日号

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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