スポナビライブにしろ、DAZNにしろ、画質に関する問題点は、ネット上でも多く議論されている。筆者自身も両者をともにユーザーとして利用しているが、あくまで個人的な感想を述べれば、スマホやタブレットで視聴した場合はとくに画質に不満を感じるようなことはない。しかし、それをテレビにミラーリングするとスカパー!などと比較しても残念ながら画質は粗いと言わざるを得ない。

 両サービスを使用するユーザーからはこんな声も聞こえる。

「これまでスカパー!でサッカーを中心に視聴してきたが、スマホで見られるといっても自分にはスマホの小さな画面でスポーツ中継を見る感覚があまりない。だからといって、テレビで見るには画像が粗くて悩ましい」(40代男性、公務員)

「Jリーグのコアなサポーターの間では、とにかく録画できないのが痛いと評判。サポーターなら年に数試合は後々まで保存しておきたい試合があると思うが、オンデマンドで見逃し配信はあっても録画はできない。そこだけは何とかしてほしい」(30代男性、会社員)

●簡単でない人材の確保

 とくにDAZNは中継数が多いのが魅力な一方で、不透明な部分が多いと指摘される。仮にJリーグのように全試合放送というのであれば問題ないが、NBAやNFLのようにすべての試合が放送されるわけではない場合には、放送カードの決定方法や時期を正確に明記すべきである。しかし、それが徹底されていないのであれば、ユーザーに対して不誠実だと言われても仕方がない。

 加えて、スポナビライブも含め加入から解約まですべてネット上で行えるというのは、ネットに精通したユーザーにとってはありがたいが、一方で高齢者のような不慣れなユーザーにとってはハードルが高いとも言える。ちなみに両者とも現状では電話での対応は基本的には行っていない。

 DAZNがJリーグの放映権を10年2100億円で獲得したと聞いた時は、多くの人が「どうやって採算が取れるのか」といぶかしんだ。放送関係者の中からはこんな声も漏れてくる。

「海外資本だけに、大きな理想を掲げながらも、もしビジネスにならないと判断すれば途中で投げ出すことも考えられなくはない。中継カメラの台数を増やすといっても、そもそも人材の確保は簡単ではない」

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