メールアドレスやクレジットカードなどの情報があれば、手続きは簡単。あとはホーム画面で視聴したいコンテンツを選ぶだけ(撮影/写真部・小原雄輝)
メールアドレスやクレジットカードなどの情報があれば、手続きは簡単。あとはホーム画面で視聴したいコンテンツを選ぶだけ(撮影/写真部・小原雄輝)
Jリーグの村井満チェアマン(中央)は、DAZNだけでなくNTTグループとも提携し「全国のスタジアムでWi-Fi環境の整備も進めたい」と話す (c)朝日新聞社
Jリーグの村井満チェアマン(中央)は、DAZNだけでなくNTTグループとも提携し「全国のスタジアムでWi-Fi環境の整備も進めたい」と話す (c)朝日新聞社

 一昔前、スポーツ観戦といえば、居間のテレビで巨人戦だった。だが、いまや通勤の電車の中、仕事の空き時間に130種類以上のスポーツを見ることができる。

 テレビでスポーツを見るのは、もう古いのだろうか。パソコンにスマートフォンにタブレット。いまや1人が複数のデバイスを持ち合わせ、その都度、状況に合わせて使い分けることは珍しくない時代である。プレーボールやキックオフの時間に合わせて帰宅し、テレビの前に座る。そんな行為は、もはや前時代的といえるのかもしれない。

 スポーツのライブストリーミングの波が、いよいよ日本に押し寄せてきた。

 昨年3月にはソフトバンクがヤフーと共同で、スポーツ専門の動画配信サービス「スポナビライブ」をスタートさせた。プロ野球は巨人と広島を除く10球団の主催試合を中継し、海外サッカーでは人気の英プレミアリーグとリーガ・エスパニョーラの全試合をライブ配信。そのほか、MLB大相撲、テニスなどに加え、昨秋に開幕しソフトバンク自ら推定で約120億円(4年契約)を投じトップパートナーとなった男子プロバスケットのBリーグの全試合をインターネット上で独占中継している。料金は月額3千円で、ソフトバンクユーザーの場合は月額500円と大幅割引を受けられる。

●過去最大級の放映権

 一方、Jリーグの開幕を控え、にわかに関心を集めているのが英スポーツ動画配信大手パフォーム・グループが手掛ける「DAZN(ダ・ゾーン)」である。

 世界25カ国に拠点を持つパフォーム社が昨夏、Jリーグと2017年から10年の放映権契約を結んだことが話題となったが、耳目を集めたのは日本のスポーツ放映権としては過去最大級だった金額。その総額は2100億円で、昨年までの「スカパー!」との契約の4倍以上ともいわれている。

 Jリーグの放送といえば、07年以降は優先放映権を獲得していたスカパー!で知られていたが、この契約によりスカパー!でのJリーグ戦の放送はすべて終了。DAZNに加入すれば、月額1750円でJ1、J2、J3の全試合のほか、海外サッカーや全米4大スポーツなど130種類以上のスポーツが年間6千試合以上、見放題になる。

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