15年度から毎年2%(5年間で10%)の公務員削減という国の方針のもと、削減した定員の重点部署への再配置を行っているが、負担が減ることはない。

 業務のなかでも大きな負担になっているのがアンケートでも多かった「国会対応」だ。国会や委員会での答弁作成は霞が関の役人が担っている。内閣人事局の調べによれば、全ての議員からの質問通告(質問者が政府に質問内容を通告すること)が出揃う全省庁の平均時刻は20時56分。この時点ですでに定時を大きく回っている。

 Cさんはこう愚痴った。

「質問内容があいまいだと、関連するだろう局や課はすべて待機させないといけない。議員のツイッターやブログもチェックして関心事を調べ、局内の待機態勢を縮小する努力はするが、そもそも委員会の開催が決まるのは前日であり、限界がある」

 国会で「働き方改革」が議論されるなか、職員の多忙な日々も始まっている。

 取材したうちの一人はこうもこぼした。

「夏場の会期延長はつらい。原則20時で冷房は切れ、30度を超えるなかでの勤務になる」

 男性の若手職員のなかには、夜になると、Tシャツ、短パン、サンダル姿で仕事をする姿も目立つという。たとえ時間を区切っても、長時間労働の根本的な原因が解決しない限り、働く環境も悪くなるばかりだ。

(編集部・澤田晃宏)

AERA 2017年2月6日号