「子孫のためになることを」独の反原発作家 日本の政策に憤りも (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「子孫のためになることを」独の反原発作家 日本の政策に憤りも

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『最後の子どもたち』の日本語版を手にするパウゼヴァングさん。「福島はいまだ深刻な状況が続いている。核の平和利用はありえない」(撮影/田口理穂)

『最後の子どもたち』の日本語版を手にするパウゼヴァングさん。「福島はいまだ深刻な状況が続いている。核の平和利用はありえない」(撮影/田口理穂)

『みえない雲』では、原発事故後、さまざまな情報が飛び交う中、主人公の14歳の少女はどうすべきか迷う。駅は逃げようとした人でパニックになり、少女は弟を失い、自身も被曝(ひばく)して差別される。その一方で、直接被害を受けなかった祖父は「ちょっと事故が起こったぐらいで大騒ぎしすぎる、ヒステリーだ」と話す。異なる状況や意見の人が出てきて、まさに社会の縮図を表している。

「現実の世の中はハッピーエンドばかりではない。子どもだからといって当たり障りのない話ばかりするのは、子どもを真剣にとらえていない証拠」

 パウゼヴァングさんは、『みえない雲』が「2022年までに脱原発するというドイツの決定に寄与したと思う」と自負する。

「長い間『原発事故は起こらない』と言われ、私たちはだまされてきた。過酷事故は1万年に一度しか起こらないと言われていたのに、もっと頻繁に起きている。これからも起こるだろう」と警告し、一方で「たとえ事故が起こらなくても、いずれ金や別の要因により原発は廃れる」と予測。日本が進める原発再稼働や原発の輸出についても「現状から学び、子孫のためになることをしようと言いたい」と憤りを隠さない。(ジャーナリスト・田口理穂)

AERA  2016年3月21日号より抜粋


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