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日本の大学「グローバル化」で授業筒抜けに 「英語化よりも教育内容の改善が先」と専門家

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英オックスフォード大学教授苅谷剛彦かりや・たけひこ/1955年生まれ。東京大学教育学部卒。米ノースウェスタン大学大学院博士課程修了。08年9月から現職。専門は現代日本社会論・教育社会学 (c)朝日新聞社

英オックスフォード大学教授
苅谷剛彦
かりや・たけひこ/1955年生まれ。東京大学教育学部卒。米ノースウェスタン大学大学院博士課程修了。08年9月から現職。専門は現代日本社会論・教育社会学 (c)朝日新聞社

 内訳を調べると、世界ランキング100位以内を目指すトップ型の大学でさえ、約4割が外国での教育・研究歴が1年以上3年未満の日本人教員でした。その程度で英語で高度な内容を教え、学生同士の議論を裁けるでしょうか。

 グローバル化とは、単なる「英語化」ではありません。外から国内の実態が見えてしまうのです。授業の言語やシラバスが英語になれば、日本型のカリキュラムが海外に筒抜けになる。海外のグローバル大学と、日本の大学とでは教育レベルが全く違います。英語化よりも教育内容の改善が先ではないでしょうか。

 日本人は、外から実際にどう見られるかに疎い。昨年、文部科学省が文系学部の廃止を通知したと報じられました。文科省は火消しに走りましたが、海外に広がった情報の訂正は困難です。その結果、海外では「日本では社会科学系は学べない」との認識が広がり、知日家の卵を失いかねない事態に。国家的大損失です。

 英語の習得は、日本人にとって深い意味があります。言語には、世界観の違いや、話す人が周囲をどう見ているかがよく表れます。自分たちの文化や歴史を知る方法でもある。英語の学びやグローバル化が、こうしたことにもつながってほしいと思います。

AERA  2016年2月29日号より抜粋


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