復刻イコール完全コピーではない。ランニングシューズとして発売されたGEL−LYTEIIIは、バランスの良い丸みのあるフォルムを受け継ぎつつ、よりファッションに重心をシフトしたカラーリングやストリートシーンに対応した軽快さを加味し、まさに復刻でありつつ新しく現代に対応したモデルといっていい。

 スニーカーは、その身軽な印象からカラフルなデザインが多くなる傾向があるのに対し、アシックスタイガーの場合、1色で作られたシューズが最も人気が高く、あるいは2色のコンビも次いで人気で、このあたりの違いが支持されている理由といえそうだ。

 アシックスでは現在、GEL−LYTEIII発売25周年を記念し、国内外の様々なブランドやセレクトショップと毎月交代でコラボするマンスリーコラボレーションを展開中。フランス、イギリス、アメリカ、オーストラリアなど各国のショップが舞台だが、毎回整理券を配って入場をコントロールし、発売日には完全にソールドアウトするほどの人気が続いている。

AERA  2015年11月23日号より抜粋