ドライフルーツは、生食時と比べて熱や光に弱いビタミンCは減少するが、肌の健康維持に有効なビタミンAやD、塩分の排出を助けるカリウムなども多く取れるため、外食が多い人にもってこいだ(撮影/写真部・加藤夏子)
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ドライフルーツは、生食時と比べて熱や光に弱いビタミンCは減少するが、肌の健康維持に有効なビタミンAやD、塩分の排出を助けるカリウムなども多く取れるため、外食が多い人にもってこいだ(撮影/写真部・加藤夏子)
FAR EAST BAZAARは2011年二子玉川フードショー内に出店後、4年あまりで全国8店舗にまで急速拡大。写真は吉祥寺店で(撮影/写真部・加藤夏子)
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FAR EAST BAZAARは2011年二子玉川フードショー内に出店後、4年あまりで全国8店舗にまで急速拡大。写真は吉祥寺店で(撮影/写真部・加藤夏子)

 おやつどき、おもむろにバッグやオフィスの引き出しからドライフルーツやナッツを出してもぐもぐ──。そんな“乾燥系おやつ女子”が、あなたのそばにもじわじわ増えていないだろうか。

「おなかも適度に膨れるし、美容にも健康にもいい。何よりダイエットしている時に食べてしまっても罪悪感が少ないんです」と、都内メーカーに勤める女性(30)は語る。

 大人のダイエット研究所の代表で「おやつアドバイザー養成講座」の監修を務める管理栄養士の岸村康代さんによると、ドライフルーツは水分を抜くことで栄養素が凝縮されるため、効率良く栄養補給が可能。皮まで丸ごと食べられるので、食物繊維も取れ、腸内環境の改善につながるという。また、クルミには良質な脂質(オメガ―3系脂肪酸)が、アーモンドにはビタミンEが含まれるため、アンチエイジングや美肌づくりの強い味方。何より甘みや旨みも凝縮されておいしさもアップする。

 そんなブームを受けて、アフリカや南米を中心に世界約20カ国から約35種類の商品を仕入れて店頭で量り売りをしているFAR EAST BAZAARが人気だ。人気商品は「1日3粒+ヤギのミルクで砂漠が渡れる」と言われるほど栄養価の高いデーツ(なつめやしの実)や、アフリカ・ウガンダにあるJali村民とのドライフルーツ製造の共同プロジェクトから生まれたパイナップルなど。客は試食しながら、スタッフが語るストーリーに耳を傾け、納得して商品を購入。体にいいだけでなく、間接的に環境保護やフェアトレードなどの社会貢献にもなるという意識が彼女たちの購買意欲を後押ししているようだ。

「2009年に発売されたエリカ・アンギャルさんの『世界一の美女になるダイエット』の大ヒットもあり、それ以降ドライフルーツのイメージは“おしゃれなもの”として定着したと感じます。最近では女性の方からプレゼントの“指名買い”を頼まれたと来店される男性のお客様も多いです」(同社販売統括マネジャー佐々木美樹さん)

AERA  2015年8月31日号より抜粋