人生をも左右する「きょうだい格差」 親亡き後の不安 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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人生をも左右する「きょうだい格差」 親亡き後の不安

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きょうだい間でさまざまな“格差”が(※イメージ)

きょうだい間でさまざまな“格差”が(※イメージ)

 既婚か独身か、経済力があるかないか。きょうだい間でさまざまな“格差”がある。親というセーフティーネットがあるうちは見えにくい問題だが、その差が大きなリスクとなり、人生を左右する。

「姉がニート。将来面倒をみるのかと、不安に思っています」

 こう話すのは、フルタイムの仕事をしながら3人の子どもを育てるトモコさん(47)だ。まだ親の介護も始まっていないのだが、先立つのは姉(50)の不安なのだという。

 姉はトモコさんの自宅から車で1時間ほどの距離にある実家に住み、ほぼ無業。料理をするのは母(74)の役目だ。現役時代に上場企業に勤めていた父は、すでに80歳を超えた。貯蓄と年金があり、経済的には姉1人を養う余裕がある。

 父は、自分たちの亡き後に姉が暮らしやすいよう、駅前のマンションも購入した。姉の生活費としてのお金も残すとトモコさんに伝えているという。

「経済的には何とかなるとしても、親に全面的に頼ってきた姉が、本当に一人で暮らしていけるのか。水道料金の支払い一つもしたことがないんです。よく『お姉さんが親元にいて安心ね』と言われますが、ずっと庇護されて育った姉が、親の介護どころか、自分の身のまわりのことだって、高齢になって突然できるようになるわけがない」

 埼玉県に住むノボルさん(49)には、非正規社員の弟(44)がいる。会話の少ない男兄弟同士だ。兄弟ともに独身で、別々に一人暮らし。弟は週3日働くだけなので、ノボルさんが「光熱費に」と月1万円の仕送りを続けているが、これがいつまで続くのか。

 故郷の東北地方にはダウン症の姉(50)がいる。母(84。父は他界)の元で暮らし、福祉団体で働いている。姉はわずかな収入だが、働き続けてきて、地元のコミュニティーに根づいた暮らしをしている。父の遺族年金や、福祉制度、成年後見人制度などを駆使すれば、姉の生活の算段はできそうだ。姉は糖尿病のため、今後の血糖値管理、食事のことが心配だが、福祉制度を使って、自宅をグループホームにする選択もある。

「親亡き後、むしろ心配なのは、健康な弟のほう。仕事は不安定だし、どう暮らしていくのか、本人がどうしたいのか、全く見通しが立たない」

AERA 2015年8月17日号より抜粋


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