その夜、橋下氏は都内のホテルで安倍晋三首相らと3時間にわたって会食。安倍氏から「政治家を辞めるのはもったいない」と声をかけられたという。

 直後から橋下氏は、憲法改正や安倍内閣の安全保障関連法案をめぐる持論を、積極的にツイッターで発信し始めた。矛先は「身内」の維新執行部にも。最初の不満は、安保法案への維新の対案だった。「国民からは全く評価されない」と投稿。メディアも取り上げ、執行部は無視できなかった。

 松野氏ら国会議員団は20日、大阪へ出向き、安保法案の勉強会を開く。結局、橋下氏の意向も受けて、対案は修正された。

 盟友の松井一郎大阪府知事(維新の党顧問)は言う。

「市長は引退すると言ったが、『党の創業者』である限り、言いたいことは言うだろう」

AERA  2015年7月13日号より抜粋