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週10で通ってしまう?「アジアの子宮」の魅力

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バー「千日前金魚」。店主の矢野雅裕さんは、ユニバースのバーテンダーだったが、営業終了に伴って自分の店を持つことに(撮影/西元譲二)

バー「千日前金魚」。店主の矢野雅裕さんは、ユニバースのバーテンダーだったが、営業終了に伴って自分の店を持つことに(撮影/西元譲二)

 映画「味園ユニバース」の舞台になったビルがある。大阪・千日前の「味園ビル」だ。そのレトロでディープな世界が、昔からの常連だけでなく、今どきの若者もひきつける。

 誰でも包容してくれる「アジアの子宮」とでも呼ぶべきカオス世界。終電がなくなる時間から、アート系やファッション系のおしゃれな人が、わらわらと集まってくる。

 大阪市中央区千日前の「味園(みその)ユニバースビル」。地上5階、地下1階。らせん状の通路を歩いて2階へ上がると、そこには40以上のバーが軒を連ねる。東京でいえば「新宿ゴールデン街」のような雰囲気だが、ビルの中だけに密室感が「ハンパない」。15年ほど前に家賃を下げたことから、若い店主が入るようになった。

 まずは「深夜喫茶銭ゲバ」へ。漫画やCD、クッションなどがごちゃごちゃあって、生活感たっぷり。店主のムヤニーさんは、会社員時代に客としてビルへ通ううち、9年ほど前に趣味のつもりでバーを開店した。最初は土日だけの営業だったが、「毎日、まったく違う人が来るから、おもしろくなって」、いつしか本業になった。

 カウンターでひとり飲む20代のOL「まなみさん」は金沢市在住。4年前からこのビルにはまり、

「大阪に来たら、味園ビルにしか来ません。この店は2度目。ふらっと来て、長居してます」

 ライブシアター「なんば紅鶴(べにつる)」のこの日のイベントは、「ホームレス小谷のLINEトーク」。お笑い芸人らが飛び入り参加し、客も交えた記者会見ゲームは、まるで文化祭のようなノリだ。かと思えば、「salon夕顔楼」や「千日前金魚」のように、モダンな芸術系の店も。個性的な店主たちは言う。

「入りにくい店でちょうどいい」

 看護系の仕事に従事する30代の「シジミさん」は言う。

「このビルに週10は来てますね。計算が合わないでしょ。一日3回来ることもあるから。お酒が飲めないので、コーヒーやジュースで3軒はしごして朝5時まで。帰宅して3時間寝て、出勤して10時間働いて、またここに帰ってくるんです」

AERA  2015年3月23日号より抜粋


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