まだ40歳だから関係ないと思うことなかれ。ストレス社会が、脳梗塞の発症リスクを高めていることを知るべきだ

 タレントの磯野貴理子さん(50)が脳梗塞で入院した。所属事務所によると、10月23日に自宅で体調不良を訴え、救急車で病院に運ばれた。

 脳梗塞は脳の血管が狭くなったり、血のかたまり(血栓)が詰まったりして、脳細胞が壊死する病気だ。かつては高齢者に多いとされてきた病だが、テレビ東京のアナウンサー、大橋未歩さん(36)やミスター・チルドレンのボーカル、桜井和寿さん(44)は、いずれも30代前半で発症している。

「脳梗塞は10代からでも起こり得る病気です」

 そう話すのは、立川病院(東京都立川市)顧問で、神経内科医の篠原幸人医師だ。若年性脳梗塞は、脳に異常な血管が発達する病気や、血液が固まりやすい病気など、特殊な背景があるケースが多い。頭や首のけがで脳梗塞になることもある。スノーボードで転倒して首を強くひねったり、子どもが鉛筆をくわえたまま転んで口の奥を突いてしまう場合などだ。

 脳梗塞は働き盛りの30~50代でも無縁ではいられない病気なのだ。篠原医師は言う。

「高齢者と同じような動脈硬化による脳梗塞患者が、40代後半でも増える傾向にあります。ストレスも血圧を上げる要因です。昔に比べたら生活自体がストレスフル。現代社会は動脈硬化の促進因子が増えています」

AERA 2014年11月17日号より抜粋