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「学校に行ったらお父さんに叩かれる」インドの教育の現実

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医師吉岡秀人(右、48)医療拠点は、ミャンマーなどアジア3カ所に拡大。タイには物流・情報拠点も設けるなど、ジャパンハートの基盤を強化している(写真/ジャパンハート提供)

医師
吉岡秀人(右、48)
医療拠点は、ミャンマーなどアジア3カ所に拡大。タイには物流・情報拠点も設けるなど、ジャパンハートの基盤を強化している(写真/ジャパンハート提供)

学校運営者高森千賀子(67)小さな学校で、日本の言葉を入れたかったので「メダカ小学校」と名付けた。「私はインドで一生を終えるつもりです」(撮影/田村栄治)

学校運営者
高森千賀子(67)
小さな学校で、日本の言葉を入れたかったので「メダカ小学校」と名付けた。「私はインドで一生を終えるつもりです」(撮影/田村栄治)

 発展をみせる一方で、貧しい地域も多く残るアジア諸国。アジアを歩くと、多くの土地で目にするのが、貧困とそれに伴う厳しい生活環境だ。それを直視し、行動を起こす人たちもいる。

 医師の吉岡秀人(48)は途上国での活動を希望し、2003年にミャンマーで医療活動を始めた。「安定した医療を10年後も続けたい」と、医療者集団「ジャパンハート」を設立。しかし、資金はない。支えは、日本人医療者のボランティア精神だ。一見心もとないが、アジアに渡る医療者は年々増え続け、13年はのべ400人に上った。

「現代の医者は、患者から十分な信頼を寄せられていない。国内では得られない『やりがい』や『存在意義』を求めて、彼らはアジアに向かっています」

 世界遺産の寺院で知られるインドの小村カジュラホ。ここで、高森千賀子(67)が貧しい子どもたちを対象に小学校を開いて13年になる。

 貸家を改造した校舎には、いすも机もない。子どもたち20人は、コンクリートの床に敷いた布の上に穴だらけの靴下を見せて座り、前かがみでノートに文字を書き込む。授業料は無料。教科書や文房具、制服、靴を支給する。日本の友人・知人の寄付が頼りだが、毎年資金は不足する。それでも続けるのは、「知識が子どもをはばたかせる」と信じるからだ。

 カジュラホには観光でたびたび訪れ、ボランティアで英語を教えていた。あるとき、村の女の子から「学校に行ったらお父さんに叩かれる」と聞き、衝撃を受けた。教育の価値を認めない親にも、ここなら行かせたいと思われるような学校をつくろうと決意した。

「私のできる限りの教育を、今後も続けていきたいと思っています」(文中敬称略)

AERA 2013年12月30日-2014年1月6日号より抜粋


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