潮目の変化が見え始めたゲーム業界。モバイル端末向けゲームは、「ヒット作品を作る公式がまだ明らかではない。何がヒットするかわからないから、とりあえず出している。そこで悪循環にはまる可能性がある」(岩井コスモ証券の川崎朝映氏) (c)朝日新聞社 (撮影/内田光) @@写禁
潮目の変化が見え始めたゲーム業界。モバイル端末向けゲームは、「ヒット作品を作る公式がまだ明らかではない。何がヒットするかわからないから、とりあえず出している。そこで悪循環にはまる可能性がある」(岩井コスモ証券の川崎朝映氏) (c)朝日新聞社 (撮影/内田光) @@写禁

 スマートフォン向けゲーム「モンスターストライク」(モンスト)のヒットで株価が急上昇しているミクシィ、一方で快進撃に陰りが見え始めた「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)のガンホー・オンライン・エンターテイメント…変化の激しいスマホ向けゲームの業界。今もまた大きな変化の時を迎えているようだ。

 この1、2年、モバイル端末向けのゲームが市場を引っ張ってきた。なかでもスマホ向けゲームは、急成長の最大要因だ。ところが、そのスマホ向けゲームの分野が成熟しつつあるのではないか、との見方が出ている。中安氏はこう分析する。

「スマホ向けゲームの利用者数は、まだ増えるでしょう。でも、利用者1人あたりの支出は、下がり始める可能性がある。成熟化は目前かもしれません」

 市場規模が縮小に転じるような可能性は、まだ当面低い。だが、市場の成長率が横ばいか、それに近くなれば、パイの奪い合いになるかもしれないという。

 潮目の変化を目前に、競争は熾烈さを増す。ゲーム業界の3カ月は、ほかの業界の1年に匹敵する。それだけ変化のスピードが速い。だからヒットを飛ばすとミクシィのように、一気に株価が上昇する。そして、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのように、その逆も起こりうる。

「パズドラ」のヒットで市場を席巻したが、10月末から11月上旬にかけて、株価が急落した。7~9月期の決算が、4~6月期よりも減収減益になり、市場から急成長が止まったとみなされたのだ。

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