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メガネ女子率7割「まんが甲子園」で活性化する県

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高知県第2回大会に出場した高校生が今年、引率の教員として参加した。「高知は熱い町だった」。情熱をかけた記憶が、高知を漫画の聖地として支える(撮影/写真部・関口達朗)

高知県
第2回大会に出場した高校生が今年、引率の教員として参加した。「高知は熱い町だった」。情熱をかけた記憶が、高知を漫画の聖地として支える(撮影/写真部・関口達朗)

 今、漫画を使って地域振興をしようという県が増えている。高校生が熱戦を繰り広げる漫画イベントもある。

 内臓に響き渡るほどのドラのあと、高校生が円陣を組んだ。

「がんばっていきましょう!」

 真っ黄色なTシャツに、お揃いのバンダナ。最大5人で一組のチーム、計20組が、一斉に真っ白な画用紙に向かう。全国の高校が漫画日本一を競う「まんが甲子園」のスタートだ。

 5時間半の決勝戦では、各チームがお題に沿って作品をつくる。1コマ漫画、美術作品、なんでもあり。B2サイズの大きな画用紙を、球児ならぬ「ペン児」が囲む。

 メガネ女子率、ざっと7割。優勝校が発表された後、画用紙に投じられた熱は、悔し涙とうれし涙に変わった。

 いま、漫画で地域振興をする自治体が増えている。漫画を教える大学を3校も持つ漫画の教育集積地、京都市は、産業集積をも作るべく2013年に「京都版トキワ荘事業」を開始。06年から東京都豊島区で同事業を推進してきたNPO法人NEW VERY(ニューベリー)は「漫画を志す人が、世界から集まる場所にしたい」と期待する。また「銀河鉄道999」の松本零士、「キャッツ・アイ」の北条司らを生んだ北九州市は、文化振興を目的に「北九州市漫画ミュージアム」を開設。目的は違えど、漫画を地域振興に使う事例は多い。

 なかでも「まんが王国」との呼び名が高いのが高知県だ。「フクちゃん」の横山隆一、「アンパンマン」のやなせたかし、「毎日かあさん」の西原理恵子など、数々の有名漫画家が輩出。漫画で地域振興をしようと、高校生を巻き込んだイベントをはじめたのは、いまから25年も前だ。

 活動に火をつけたのは高校生だ。1992年、県の都合でイベントをそれまでの夏から秋に変えようとしたら、高校生が署名活動を始め、知事に陳情に来た。

「秋には文化祭と中間テストがあるので、夏にしてください!」

 署名活動の名称は、高知県出身の板垣退助にならい、「自由漫権運動」。これを機に生まれた「まんが甲子園」は、今や高知県の夏の風物詩になっている。

 高知県が漫画に力を入れるのには理由がある。製造品出荷額が全国最下位で第二次産業が弱いという現実だ。新たな産業を創出したいが、地理的なハンディから、何を作っても運ぶのに時間と費用がかかる。そこで注目したのがコンテンツビジネスだ。

「龍馬を生んだ高知には、社会に異を唱える革新性がある」と、高知県まんが・コンテンツ課の栗山典久課長。革新性が若者の表現活動を後押ししたか、最近、県内にはゲームの制作会社も増えているという。

AERA 2013年10月28日号


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