8月号公立高等学校公民科教諭 菅原 晃 Sugawara Akira貿易黒字は儲けなのか?――経済学は重商主義を否定するために生まれた! (1/2) |AERA dot. (アエラドット)

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8月号
公立高等学校公民科教諭 菅原 晃 Sugawara Akira
貿易黒字は儲けなのか?――経済学は重商主義を否定するために生まれた!

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 アメリカのトランプ大統領は、就任以来TPP離脱やNAFTA再交渉、関税引き上げなど、「保護主義」的な政策を矢継ぎ早に打ち出しています。2018年5月23日には、輸入車に対する関税を25%に引き上げる措置(現状日本車は2.5%)の検討に着手しました。 アメリカのトランプ大統領は、就任以来TPP離脱やNAFTA再交渉、関税引き上げなど、「保護主義」的な政策を矢継ぎ早に打ち出しています。2018年5月23日には、輸入車に対する関税を25%に引き上げる措置(現状日本車は2.5%)の検討に着手しました。

 これらは「貿易黒字は儲け、赤字は損」という「重商主義」の考え方に基づいています。経済学の父アダム・スミスは、この「重商主義」を否定するために、1776年に『国富論』を著しました。「重商主義」は、もう200年以上も前に否定された、経済学的に誤った論なのですが、ゾンビのように復活します。

     重商主義  / 自由主義
【代表者】トマス・マン / アダム・スミス
【目的】生産。/ 消費こそがすべての生産の唯一の目的。
【富】貿易差額。誰かの損は誰かの得、利潤は奪うもの。/ 交換で消費が豊かになる
【手段】国内消費を節約し、輸出に回す。輸入を制限する。/ 消費のために生産を増やす。社会的分業。

 中学校の公民科教科書でも、「重商主義」は明確に否定されています。

 東京書籍『新しい社会 公民』2014年版  p.145


(更新 2018/8/ 1 )


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