コロナショックで生き残るためのヒント 「企業再生のプロ」が語る、その極意とは? 〈BOOKSTAND〉|AERA dot. (アエラドット)

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コロナショックで生き残るためのヒント 「企業再生のプロ」が語る、その極意とは?

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 全国で緊急事態宣言が解除されてから1カ月半が過ぎました。とはいえ、新型コロナウイルスの感染対策をしながらの新しい生活様式は続いています。経済活動も徐々に元に戻りつつありますが、第2・3波の感染拡大の懸念は拭えません。第2波の影響により2回目のロックダウンをおこなう国も出てきました。
 こうした新型コロナがもたらした危機的状況「コロナショック」を分析し、どう生き抜いていくか、そして日本経済の復興シナリオを提示したのが、本書『コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画』です。
 著者の冨山和彦氏は、外資系戦略コンサルタントを経て、産業再生機構のCOOとして日本経済の危機に向き合い、JAL、カネボウ、ダイエーなどの再建に携わった"企業再生のプロ"。そんな冨山氏が本書でまず、経済の現状を分析します。
 経済は「L(ローカル)」「G(グローバル)」「F(フィナンシャル)」の3段階で重篤化。リーマンショックとは違い、より広い産業と地域に長期の危機をもたらすといいます。
 第1波「L」は、日本のGDPの約7割を占める観光、宿泊、飲食、小売りなど基幹産業群への大打撃。中堅・中小企業がメインであり、非正規社員やフリーターが占める割合も多く、被害は甚大なものに。
 第2波「G」は、自動車や電機などのグローバル企業への影響です。消費者の消費停滞や売上低下による打撃、そして部品・材料などの関連企業への波及。さらに、その余波が大企業に紐づく地域のものづくり産業をも巻き込むことに。
 第3波「F」は、企業の売上低迷が融資回収の見込みの低下を引き起こし、不良債権化の可能性が高まること。バブル崩壊やリーマンショックのように金融システム全体が機能しなくなるリスクをはらんでいます。
 冨山氏は、「中国頼みの回復には期待できない」としたうえで、「これから本格化するGの世界の第2波をどう受け止めるか、が勝負だと思っている」と経済危機の重篤化回避の要だと指摘します。日本企業が生き残るヒントについても、「修羅場の経営の心得」と「修羅場の『べからず』集」と題して、惜しみなくレクチャーしています。
 国や企業の危機だけでなく、個人が生き残るにはどうしたらいいのでしょう。本書で冨山氏は、主に2つ「歴史に学ぶ」と「修羅場の経験」をアドバイスしています。
 前者は、過去の危機で何をもたらし、どのように常識が破壊されたのかを知っておくことが、不幸になるリスクを低減することにつながるとのこと。例えば、過去の危機の際には、大企業や有名ブランドなど安定に走りがちですが、実は危機後には凋落するケースが多かったといいます。だからからこそ、「当該組織固有のスキルではなく、世の中全般にどこでも通用する、誰にでも説明できる能力を磨いておくこと」を助言しています。
 後者は「本気で将来マネジメントリーダーを目指したい20代、30代」と限定したうえで、勤務する会社が危機に陥っているなら、「ギリギリまで会社に残ること」を勧めています。若いうちにビジネスの本質やドロドロの人間関係など、「普段はなかなか見られない"見るべきもの"」を見られるチャンスだというのです。冨山氏は「MBA10回分に勝るケーススタディーの機会」と強調します。
 「危機は必ず終わり、日はまた昇る」。そんな言葉も"企業再生のプロ"だからこそ説得力があります。冨山氏は「ポストコロナショック」を見据えたビジネスや働き方など、さまざまな変化から「今までよりも幸せな生き方を実現できる時代がやってくる」とも予測。コロナ禍を耐え忍んだ先にある明るい未来のために、本書でサバイバル術を学んでみては。


(記事提供:BOOK STAND)

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