会社のなかで迫られるさまざまな選択。残業する人/しない人、社内の飲み会に行く人/行かない人、転勤に応じる人/応じない人......どちらの選択をした人の方が出世しやすいのでしょうか。



 人事コンサルタントである平康慶浩さんによる『出世する人は一次会だけ参加します』では、人事のあり方をもとに、出世のルールを説明。どのような選択をすれば出世に繋がっていくのか、最良の選択となるのか、大きく会社のタイプを3つに分けることにより、それぞれタイプ別に解析していきます。



 では早速ですが、ご自身のいる会社は次の3つのうち、どのタイプに当てはまるでしょうか。



 1つ目は、ロイヤリティ型企業(経営層と従業員が一体となり成長を目指す会社)。



"毎日朝礼がある"

"昼休みの時間が決まっている"

"社員旅行などの全体行事が毎年ある"

"新卒採用を5年以上途切れず続けている""彼/彼女をそろそろ次の役職へ......という言葉を聞いた事がある"。\



 このうち3つ以上当てはまれば、その会社はロイヤリティ型企業である可能性が強いそう。



 2つ目は、環境適応型企業(環境変化にあわせて、個別事情に対応しようとする会社)。



"派遣/契約社員が増えている"

"同じ役職だけれど役職名が変わったことがある"

"中途採用の人の割合が30%を超えている"

"人事評価制度の改定が5年以下おきぐらいにある"

"オーナー家以外で、40代の役員がいる"



 こちらも、このうち3つ以上当てはまれば、環境適応型企業である傾向が高いとのこと。



 最後の3つ目は、自立型企業(会社と従業員がそれぞれ自立した状態の会社)。



"会議の時間が短い"

"出戻り社員がいる"

"出社と退社時間のルールがゆるいか存在しない"

"社内で出会った人への挨拶が頻繁に行われる"

"会社の飲み会が少ない"。



 同じく3つ以上当てはまれば、自立型企業の可能性が高いそうです。



 そして、これらのうち会社がどのタイプに属するかによって、人事のルール、すなわち出世のルールは異なっているのだといいます。



 たとえば"転勤に応じるか、家庭の事情を優先させて断るか"という選択。まずロイヤリティ型の会社での転勤は、どんな状況でも受け入れなければならないといいます。会社に対する忠誠心を求められるロイヤリティ型において転勤を断れば、出世の芽はほぼなくなってしまうそう。



 環境適応型の会社においても、介護や育児、配偶者の勤都合など特別な事情がない限り、キャリアを積むためにも転勤は受け入れるべきだといいます。



「ロイヤリティ型や環境適応型の会社は、30代前半までは、企業側が出世のキャリアを考えてくれている。(中略)ある部署で結果を出せなくても、次の部署では成長するかもしれない。(中略)多くの企業の経営層や人事部は、真摯に従業員の成長を考えている」(本書より)



 一方、自立型の会社における職種の変更を伴う転勤命令は、会社からの三行半の可能性が高いといいます。



 選択を誤ってしまい、出世の道が閉ざされてしまわないためにも、心得ておきたいポイントの数々。本書にて確認してみてはいかがでしょうか。