肥薩線白石駅を発車する「SL人吉」 写真=櫻井 寛(鉄道写真家)
肥薩線白石駅を発車する「SL人吉」 写真=櫻井 寛(鉄道写真家)

 3月18日のダイヤ改定により、その前日に姿を消す往年の車両がある。“乗り鉄”でもある鉄道写真の第一人者・櫻井寛さんが、今春引退の列車と、今のうちに乗っておきたい来年引退予定の列車を教えてくれた。

【写真】特急「やくも」。国鉄特急色(クリームと赤のツートンカラー)

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■北海道の厳しい自然を駆け抜けて36年

網走駅を発車する特急「大雪2号」旭川行き。雪化粧した顔が凛々しい。写真=櫻井 寛(鉄道写真家)
網走駅を発車する特急「大雪2号」旭川行き。雪化粧した顔が凛々しい。写真=櫻井 寛(鉄道写真家)
キハ183系の車内。昭和生まれの国鉄車両の雰囲気に包まれている。 写真=櫻井 寛(鉄道写真家)
キハ183系の車内。昭和生まれの国鉄車両の雰囲気に包まれている。 写真=櫻井 寛(鉄道写真家)

・JR北海道 キハ183系(1986-2023)

 北海道内の現役最古参で、石北本線特急「オホーツク」(札幌~網走)と「大雪」(旭川~網走)として走っているが、3月17日に引退。「自然環境の厳しい北海道内を走り続けただけあり、錆びついているところもある。自然環境の整ったところならもっと走れたかもしれないけど、よくここまで頑張ってくれた。ごくろうさまと言いたい」(櫻井さん)

 キハ183系は道内の定期特急列車で唯一、客室からの前面展望が楽しめる。定期運行終了後の3~4月にラストラン運転も予定。

■未来を感じさせる、「タキシードボディ」

深谷駅を通過する特急「草津」。3月18日からはE257系リニューアル車両にバトンタッチ。 写真=櫻井 寛(鉄道写真家)
深谷駅を通過する特急「草津」。3月18日からはE257系リニューアル車両にバトンタッチ。 写真=櫻井 寛(鉄道写真家)

・JR東日本 651系(1989-2023)

 1989年に常磐線で営業運転を開始。列車名を電光掲示板で表示するところに未来を感じさせ、純白のボディーカラーから、「タキシードボディのすごいヤツ」というキャッチコピーもつけられた。現在は「スワローあかぎ」(上野~高崎)、「草津」(上野~長野原草津口)などとして運行。

「国鉄時代は画一的な車両デザインだっただけに、651系の登場は衝撃的。『新しい時代が来て、もう国鉄じゃない!』と思わせるインパクトがありました。今となっては懐かしいのですが」(櫻井さん)

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