■大正生まれで、今年で101歳

肥薩線白石駅を発車する「SL人吉」 写真=櫻井 寛(鉄道写真家)
石炭を投炭する機関助士。 写真=櫻井 寛(鉄道写真家)

・JR九州 8620形(1922-2024年引退予定)

 国鉄の前身である鉄道院が導入し、日本で初めて本格的に量産された蒸気機関車。製造が始まったのは大正初期で、愛称は「ハチロク」。一度引退したが、その後、JR九州で観光列車「SL人吉」(本~鳥栖)として活躍。マンガ・アニメ「鬼滅の刃」に登場する「無限列車」のモデルとも言われている。JR九州では、老朽化などを理由に2024年3月頃をめどに定期運行が終了予定。

「もうすぐ101歳の現役車両なんてこれだけ。なんとしてでも存続させてほしい!」(櫻井さん)

■急カーブ対応の「振り子式」車両

伯備線方谷駅を通過する特急「やくも」。国鉄特急色(クリームと赤のツートンカラー)の車体。写真=櫻井 寛(鉄道写真家)

・JR西日本 381系(1973-2024年引退予定)

 国鉄が開発・設計した特急列車。急カーブで車体を傾けながら走る日本初の「振り子式」車両。しかし、カーブ進入時に不自然に揺れるため、「酔いやすい」と言われている。現在は伯備線の特急「やくも」(岡山~出雲市)として運行しているが、2024年度中に、新たな車体傾斜装置を備えた273系車両に置き換わる予定。

「僕が大学生の頃に、長野と名古屋を結ぶ特急『しなの』としてデビュー。長野出身なのでうれしかった。カーブの揺れもジェットコースターみたいで楽しかった!」(櫻井さん)

(文/本誌・吉川明子)

週刊朝日  2023年3月10日号

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