引退試合でマウンドに上がった松坂大輔(2021年10月19日、メットライフドーム)
引退試合でマウンドに上がった松坂大輔(2021年10月19日、メットライフドーム)

 松坂大輔はそういう投手だった。「代わるか」という問いには全く反応しなかった。昨年、西武の完投数はチームでわずか2。リーグ1位のチーム防御率2.75をマークしたが、それは救援陣が頑張ったからだ。完投し続ける投手がチームにいたら、それを超えようとする投手も必ず出てくる。今回は時間が限られるだろうが、大輔には「エースのメンタリティー」というものを投手陣にぜひ伝えてもらいたい。

 2000年前後は稼頭央監督が野手をまとめ、大輔がエースとして君臨していた。そういった太い柱となれる選手が1人、2人と出てくれば、チームは強くなる。西武ライオンズを愛する一人として、期待している。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2023年1月27日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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