島袋コウさん
島袋コウさん

「名作ドラマのリメイク放送と同じ。面白いと感じられるものは、時間が経過すると繰り返される。日本社会が沖縄をネタにして遊んでいる」

 そう話すのは、モバイルプリンスの愛称で知られる沖縄在住のネットアドバイザー、島袋コウさん(35)だ。

「構図はマイノリティー差別や生活保護利用者バッシング、あるいは女性差別と同じです。必死に訴えている側が一方的に『不当に利益を得ているじゃないか』と疑われる。かつて『沖縄はユスリの名人』と発言した米高官がいましたが、意識としてはそれと変わらない。それをネットに書き込むことで多くの称賛もついてくる」

 基地反対運動には日当が出る。沖縄は基地がないと経済が崩壊する。沖縄に対する予算が優遇されている。こうした根拠なきデマは結局のところ、沖縄に向けた偏見と差別が生み出したものだ。

「だから笑いながら差別する者が絶えない」

 切実さも被害も無視される。陰謀論と脅威論が結びつき沖縄が笑われる。

 笑うな。デマを飛ばすな。私もそう強く訴える。本当に「国防」を論じたいのであれば、「自分ごと」として真剣に捉えるべきなのだ。(おわり)

週刊朝日  2023年1月6-13日合併号