「業務☆スーパーマン」で山田が有岡に繰り出した、衝撃の“カンチョー”。なお、この後メンバーらは黄色のエプロンを脱いでステージ下に放ったが、高木はさっと四つ折りにたたんでスタッフに手渡す一面を見せた。(撮影=小黒冴夏)
「業務☆スーパーマン」で山田が有岡に繰り出した、衝撃の“カンチョー”。なお、この後メンバーらは黄色のエプロンを脱いでステージ下に放ったが、高木はさっと四つ折りにたたんでスタッフに手渡す一面を見せた。(撮影=小黒冴夏)

「ずっと『待て』してくれたんだね、えへへ」

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 9月18日、アリーナツアー「Hey! Say! JUMP LIVE TOUR 2022 FILMUSIC!」の東京公演。中島裕翔は“らしい”表現で、ずっと待っていたファンにやわらかくほほ笑んだ。昨年11月~今年1月に行われる予定だったツアーの後半が、メンバーの新型コロナウイルス感染で中止になっていたからだ。

 念願の再会となったこの日。観客は一様に、ビーズの入ったペンライトを振り、声の代わりに全力のシャカシャカ音で喜びを伝えた。大きな波が打ち寄せるように、会場が轟く。ジャニーズでは初の公演の場となる有明アリーナは、4階席まで満員御礼。「すごいね、上のほうもなんかこっちから見てると、落ちてきそうだもんね」と、知念侑李が感嘆を漏らす。

 Hey! Say! JUMPは、今年デビュー15周年。積み重ねてきたキャリアは伊達ではなく、ライブ中は終始、かわいい、かっこいい、面白い、とジェットコースターのような振り幅で魅せた。「春玄鳥(はるつばめ)」のラスト、ハート型に並んだメンバーの中心で有岡大貴がお姫様のような可憐な表情を浮かべたかと思えば、煽情的な腰振りがある「僕はVampire」では山田涼介がペロリと出した舌を人差し指でなぞり、セクシーなムードは最高潮に。知念が振付を担当した「業務☆スーパーマン」では、ダンス中どさくさにまぎれて山田が有岡にカンチョーをお見舞いし、目撃した観客たちは思わず息をのんだ。

次々打ちあがる花火の音と映像で、15周年ならではの華やかなフィナーレに。「サンダーソニア」のラスト、「Ah Ah~~♪」と7人のハモリを伸びやかに響かせると、薮が代表して思いを伝える。「これからも一つ一つの思い出、宝物を、僕たちとみんなで作っていきましょう。これからも長い長い年月をともにしていきましょう。本日は本当にどうも、ありがとうございましたー!」。そしてメンバーは一斉にジャンプ! レッドカーペットの向こうへと飛び降り、颯爽と姿を消した。(撮影=小黒冴夏)
次々打ちあがる花火の音と映像で、15周年ならではの華やかなフィナーレに。「サンダーソニア」のラスト、「Ah Ah~~♪」と7人のハモリを伸びやかに響かせると、薮が代表して思いを伝える。「これからも一つ一つの思い出、宝物を、僕たちとみんなで作っていきましょう。これからも長い長い年月をともにしていきましょう。本日は本当にどうも、ありがとうございましたー!」。そしてメンバーは一斉にジャンプ! レッドカーペットの向こうへと飛び降り、颯爽と姿を消した。(撮影=小黒冴夏)

 愉快なテンションは止まらない。「Come On A My House」は長年愛され続ける正統派アイドルソングだが、ハッピーなサウンドに乗せ、伊野尾慧が「みんなー、自分の家、帰りたくないよなー? 知念のお家に、行きたいよなー? 知念さん、お家に行ってもいいですか!」と叫ぶと、突如静寂が訪れた。顔芸をキメた知念が苦々しげに吐き捨てる。「Get Out Of My House!」。お家に呼んでくれたのに突然帰れと言われる理不尽さが話題の、メンバー考案アンサーソング「Get Out Of My House」が始まった。しかし、どうしてもあきらめきれない6人からはブーイングが噴出。「Come On A My Houseって言ったじゃーん!」「いつもの知念を返してくれよ!」「おーい、いのちゃん、ちょっともう一回聞いてみてくれよ」「行ってもいいですかー!」。すると振り向いた知念は機嫌を直しており、満面の笑みで「Come On A My House♪」。無事に大団円を迎えた。

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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