映画「AKAI」のワンシーン (c)映画『AKAI』製作委員会
映画「AKAI」のワンシーン (c)映画『AKAI』製作委員会

佳子:何か大事な記事があったんじゃないか、と思って。

英和:実はエッチな記事を見たかっただけ。

佳子:ひどいよね!

英和:で、朝起きて、「あれ? 東スポやん」と思ったら、佳子ちゃんの電話番号が入ってた。「えーと、これはなんやったかな?」と思いつつ電話して、それから東京来るたびにごはん行くようになって。

佳子:やっぱり覚えてないじゃん(笑)。

──出会いから積極的だった佳子さんだが、さらに大胆な行動に出る。音楽教室の教師の仕事を辞め、ピアノ1台とともに大阪の赤井さんの両親のもとに押しかけ居候したのだ。

佳子:本当に恐ろしい話ですよね。結婚もしてないし、まして赤井と二人で行ったわけでもない。それなのに押しかけて、お米炊いて一緒にご飯食べて「お風呂いただきます」とかいって。お父さんとお母さんが喜んでくれるに違いないと思ってたんです。でも朝起きたら、お父さんのメモがあった。「出ていってくれ」って(笑)。

英和:僕はほとんど東京で仕事してて、週に1、2日しか大阪に帰らない。親から「この人、どうするの?」って言われてたけど、まあ仲良くやってるんちゃう?と。

佳子:当時の赤井の事務所の社長さんにも「なんで、ここにあなたが住んでるの?」って怒られた。「赤井は今すごく人気が出てきて、東京でも仕事いっぱいし始めたところなのに、あなたが実家にいるのはおかしいでしょ。せめて二人で住みなさい」「……ですよね」って。赤井のご両親に「事務所の社長さんに出ていくように言われたんですけど」「いや、せやからうちらも出ていってって言ってるやん!」。

英和:ははは。まあ、そこから長女のつかさがおなかの中にできまして、結婚しよかと。そのときも僕は東京だったので、お父ちゃんが婚姻届を書いて、区役所まで持っていってくれました。

──続いて長男・英五郎、次男・英佳に恵まれる。だがその後、悲しい出来事が一家を襲った。

佳子:双子が生まれて、でも早産で早くに出てきちゃって。

英和:妹のももこは3日、姉のさくらこは7カ月がんばって生きたんです。そのあいだ、佳子ちゃんもずっと病院の集中治療室から出られなくて、僕も仕事終わったらすぐ病院行って、佳子ちゃんの顔見ては、二人でわんわん泣いて。

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