インタビューの前日は、神戸で公演があった。中島らもさんの命日(7月26日)が近づき、神戸の小さな劇場で、中島らもさん作の落語を演じる「らも咄(ばなし)の会2022夏」が上演されたのだ。

「らもさんが書き残した『らも咄』っていう落語の本から、桂吉の丞さん、桂りょうばさんと僕で一席ずつ。大阪芸大の舞台芸術学科を卒業なさった方がやり始めた劇場で、100人ぐらいしか入れないんですけど。神戸だったんで僕の小学校の同級生なんかも見に来てくれて。原田芳雄さんの息子さんも見に来てくださったんです。しかも、その日はたまたま芳雄さんの命日の翌日だったんですよ。月曜日には、新宿3丁目の『雑遊』っていうホールのオーナーが経営する居酒屋でイベントがあって。呼び出されて、僕も一席しゃべらされちゃった。僕の東西の師匠の命日が続くので、夏は、何かいろいろ去来するものがあります」

(菊地陽子、構成/長沢明)

週刊朝日  2022年8月12日号より抜粋