記者会見するKDDIの高橋誠社長
記者会見するKDDIの高橋誠社長

 そこで1台の携帯電話に、たとえばメインがドコモ系なら、サブにそれ以外の通信網のSIMカードを入れておくという方法もある。携帯電話は通常、各社が提供するSIMカードを挿入して、通話や通信ができるようになる。ただし、端末がSIMを2枚挿入できるものに限られる。また、2枚分のSIM契約が必要になり、やはりコストがかかる。

 サブのSIMを選ぶ際は、できるだけコストを抑える工夫が必要になるかもしれない。データ通信だけのSIMで、小容量なら維持費が月200~300円程度、通話もついて月500円程度というのもある。

 とはいえ、携帯電話に詳しいジャーナリストの石川温さんは「2回線の契約は理想だが、ハードルが高い。対応する端末も限られる」と話す。

 もっと簡単な方法もある。携帯電話の通信網が使えなければ、Wi-Fiに接続するのだ。自宅にWi-Fiを整備する人は少なくないだろう。最近は飲食店やコンビニエンスストア(セブン-イレブンを除く)などの商業施設、役所や図書館などの公共施設が、Wi-Fiを提供している。

 フリーWi-Fiスポットを探し出し、自動的に接続してくれるアプリもある。そうしたアプリを入れておき、設定しておくのもいい。

 今回のような通信障害の際に、Wi-Fiに接続するのは「すごくいい」と調査会社MCAの天野浩徳代表は話す。一方、設備にコストがかかり、フリーWi-Fiスポットが「最近、減ってきている」(石川さん)とも。とはいえ、ありがたい存在であることに変わりなく、石川さんは近くのコンビニやカフェなどのフリーWi-Fiスポットを確認しておくことを勧める。

■通話アプリで電話番号に電話

 さらに、キャリア各社は自社ユーザー向けにWi-Fiスポットを各地に設けている。法林さんは「キャリアとの契約を必要としている場合が多いが、ドコモ系のスポットはdアカウントを設定するだけで使える」と話し、接続のセットアップをしておくように勧める。

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