生稲晃子氏(左)と今井絵理子氏の「ツーショット撮影タイム」
生稲晃子氏(左)と今井絵理子氏の「ツーショット撮影タイム」

 参院選(7月10日投開票)、大乱戦の東京選挙区で「タレント候補」として異彩を放つのが、自民党公認で出馬する生稲晃子氏(54)だ。俳優で「元おニャン子クラブ」だけに知名度はさすがで、街頭演説を行えば「キャー! あきこさん!」と女子高生や男性ファンが群がる。

「タレント候補」路線には党内でも賛否があるようで、足立区内で行われた生稲氏の個人演説会では、都議会議員の高島直樹氏が「おニャン子クラブの(会員番号)40番ですよ。『自民党またタレントか』と思われそうな気がいたしますが……」と、本人の到着前に本音をポロリ。

 別の日に立川市内で行われた街頭演説で、「生稲さんはただの『タレント候補』ではない! きちんとした仕事、子どもを持っておられる立場です!」と力説したのは下村博文衆院議員。応援演説に駆け付けた安倍晋三元首相も、芸能界での活躍には触れず「生稲さんはがんに苦しみながら子育てを両立してきた。この経験を国会で生かしてほしい」とだけ述べた。

 生稲氏の三多摩事務所の責任者は言う。

「『タレント候補』はあくまで肩書の一部で、我々の側では強調していません。過去には内閣府の働き方改革実現会議委員や、厚生労働省の『がん対策推進企業アクション』メンバーも務めており、陣営としてはそういった方面の活躍を期待しています」

 だが、取材を続ける中では「おや?」と思う場面も。足立区内での個人演説会には、自民党の比例区で出馬している元SPEEDの今井絵理子氏(38)が駆け付け「生稲さんは芸能界時代の大先輩です! 『いまいく』タッグを組んで頑張ります!」とアピール。生稲氏と今井氏のツーショット撮影時間が設けられるなど、結局、「タレント議員コンビ」として売り出しているようにも見える。

 本人はどう考えているのか。立川市内での街頭演説後、「『タレント候補』と言われることをどう思っていますか?」と直撃すると、一瞬たじろぎつつも、「私はタレントなので、その呼び方で間違っていません。でも、この36年間の芸能生活は誇りに思っていますので!」とキッパリ。陣営ともども、いっそ開き直ってしまえばいいと思うのだが……。

週刊朝日  2022年7月15日号