Almond milk photo created by jcomp - www.freepik.com
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 最近、スーパーでアーモンドミルクをよく見かけるようになった。アーモンド入り牛乳と勘違いしている人もいるようだが、原料は水とアーモンドの植物性飲料。牛乳と豆乳に続く“第3のミルク”として注目が集まっている。

【写真】「自家製アーモンドミルク」と「アーモンドミルクそうめん」のレシピはこちら

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 欧米ではかねて動物性食材や乳製品をとらないベジタリアンやヴィーガンが愛用しており、日本に輸入食材としてアーモンドミルクが入ってきたのは2013年のこと。翌年には江崎グリコが“飲むアーモンド”として「アーモンド効果」を発売した。

 実は江崎グリコとアーモンドには深いつながりがある。1930年に創業者の故・江崎利一さんが視察でアメリカを訪れたとき、ナッツ専門店でアーモンドに出合う。当時の日本では漢方薬など限られた用途しかなかったが、江崎さんが日本に持ち帰って広めた。キャラメルにアーモンドを入れた「アーモンドグリコ」や、アーモンド一粒を入れた「アーモンドチョコレート」などはいずれも同社の看板商品となった。

「長年、アーモンドの研究に力を入れていて、栄養価の高さやおいしさを研究し続けています。高齢者が健康のためにアーモンドを食べているという調査結果に着目し、摂取しやすいドリンク状にしようとアーモンドミルクの商品開発につながりました」(江崎グリコマーケティング本部・折原唯さん)

 アーモンドミルク市場全体も年々拡大し、21年には販売量が前年比37%増となった(アーモンドミルク研究会調べ)。同社はその理由を、コロナ禍での健康志向の高まりと分析する。

「アーモンドミルクの認知度は少しずつ高まっていましたが、最近はコロナの影響もあって、特に健康意識の高まりを実感しています。ひと昔前の健康飲料といえば、健康のために我慢して飲む、という風潮がありましたが、おいしくないと続きません。今は健康のためにおいしく続けようというように変わってきています。アーモンド自体が、香ばしくて味も広く好まれている食材というのも大きいです」(同)

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