岡部七子さん (撮影/写真映像部・加藤夏子)
岡部七子さん (撮影/写真映像部・加藤夏子)

 現役学生から公募したモデルが、受験時のエピソードや勉強法を明かす特別企画。第2回では、東京大学大学院薬学系研究科修士2年岡部七子さん(埼玉県立浦和第一女子高校卒)が、自分に合う勉強法を見つけて実践するよう助言してくれた。

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 岡部さんは高校3年の6月まで、長時間机に向かうことがかなわないほど、多忙を極めていた。

「部活と研究のふたつをやっていました」

 毎年のように全国大会に出場するアナウンス部に所属し、テレビドキュメントを制作した。

 また通っていた高校はスーパーサイエンスハイスクールに指定され、希望する生徒は研究に取り組める環境にあった。岡部さんはショウジョウバエを使った抗菌物質を研究。そのレベルは非常に高く、3年時の6月にアメリカ・アリゾナ州で開催された科学研究の世界大会に出場したほどだ。

 日によっては夜11時まで学校に残って活動。このふたつが終わるまでは、工夫してすきま学習をしないといけなかった。

 岡部流の勉強法はなかなかユニークである。

「私は小さい頃からバイオリンを習っていましたが、先生は聴いて覚えるという方法を取っていたんですよ。楽譜を見るのではなく、何度も聴いて暗記して弾いたんです。そのやり方を取り入れて、教科書を録音して、実験をしながらとか学校の行き帰りとかに、倍速再生で聴いて覚えました」

 さらに、重要な事柄を組み込んだ替え歌を作って、覚えることも。

「一番役に立ったのが、古文の助動詞の歌。助動詞の意味と活用を歌詞にして、『トップ・オブ・ザ・ワールド』の替え歌にしたんです」

 7月になり勉強に集中できるようになったが、長時間勉強を続けるのは苦手だったという。

「それで30分おきくらいに休憩をして、教科を変えることで、飽きずに楽しくできるように工夫しました。自分の集中力がどのくらい続くのか把握しておくことが大事だと思います」

 理系にもかかわらず、苦手の教科は数学。これはお気に入りの問題集を7回くらい解いて、

「解法を暗記しました。数学的な考え方を養うためには良い方法ではないんですが。物理も化学も暗記ですね。勉強というよりも練習という気持ちで取り組んでいました。バイオリンと同じで、毎日の練習を習慣化させていたんです」

 そのうえで、受験勉強には精神状態が重要だと説く。

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