岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
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 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、京都府京都市の「狛猫」です。

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撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 色とりどりの五色豆が看板の和菓子屋さんは、猫がいることでも町の人たちに愛されている。

「店長」と呼ばれるオスのシロと、おばあちゃん猫のエミリー。店の奥に引っ込みがちなエミリーに代わり、社交的なシロが接客を請け負う。一見(いちげん)さんにはサラリと対応。常連さんには「なでてー」とゴロゴロ甘えるというのだから、心得たものだ。

 開店前、大あくびをするシロと口を一文字に結んだエミリーが軒先にいた。阿吽(あうん)のポーズで日向ぼっこする2匹の姿に、商売繁盛の秘訣を見た気がした。

週刊朝日  2022年4月8日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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