東尾修
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 今季のプロ野球はどのチームが優勝する? 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏が予想した。

【写真】昨年の本拠最終戦を終え、観客にあいさつする巨人の原監督

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 3月25日に開幕したプロ野球。今年ほど優勝予想が難しい年はない。昨年はセ・リーグ、パ・リーグともに前年最下位だったチームが優勝した。レギュラーだけで野球をやる時代は終わり、総勢50人くらいの戦力をどうやりくりするかとなった。その組み合わせだから、レギュラー、先発数人、救援の質といった15人から20人の力の比較だけで予想することは意味がなくなってきたよね。

 でも、ファンの方の興味という点で順位予想も私の仕事の一つ。私も楽しみながら予想してみたい。セ・リーグは「巨人中日、DeNA、ヤクルト阪神、広島」の順。パ・リーグは「楽天オリックス、西武、ソフトバンクロッテ日本ハム」としたい。

 セの巨人は野手では坂本勇人岡本和真、投手の菅野智之がしっかりと軸として働くことが前提。この3人が数字の上でも引っ張ることを計算した上で優勝に近いとみている。ここに堀田賢慎、山崎伊織、ドラフト3位の赤星優志と1軍未経験の3人が先発ローテーションに入ってくる。菅野や戸郷翔征といったところがしっかりと勝っていく中で、フレッシュな投手がいい形で回れば大きな戦力増となる。

 案外面白いと思っているのが中日だ。投手陣はリーグ屈指。打線の弱さを立浪流の細かい野球でカバーできるか注目している。DeNAは打線に破壊力があり、毎年のように故障が出ていた先発陣もそろってきた。昨年日本一のヤクルトは若い投手陣が安定して力を出せれば当然、優勝争いに絡むだろう。阪神は抑え不在、広島は鈴木誠也の抜けた穴を埋めるのは相当難しいと判断して下位評価とした。

 パは楽天を推したい。実績ある先発陣に今年2年目を迎える早川隆久もさらに力をつけるだろう。今年は延長十二回までの戦いとなる。先発陣がある程度長いイニングを投げてくれないと、シーズン中盤以降に救援陣にダメージが来る。新外国人次第で得点力が上がれば優勝を狙えるとみる。

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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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