江口のりこさん(右)と林真理子さん  [撮影/写真部・高橋奈緒、ヘアメイク/廣瀬瑠美、スタイリング/清水奈緒美]
江口のりこさん(右)と林真理子さん  [撮影/写真部・高橋奈緒、ヘアメイク/廣瀬瑠美、スタイリング/清水奈緒美]

 舞台、映画、テレビなどオファーが絶えない俳優の江口のりこさん。いまや話題作に引っ張りだこの存在ですが、お芝居ひと筋の覚悟がうかがえる過去がありました。作家・林真理子さんに、サバサバした口調で率直に話してくれました。

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林:江口さんは劇団東京乾電池のご出身ですよね。

江口:はい。いまもそうです。

林:東京乾電池の柄本明さんに憧れて、とおっしゃってますね。

江口:憧れてというか、10代のころ映画を見てて、柄本さんが出演されてて、「ああ、映画っておもしろいなあ」と思ったんです。柄本さんは日本映画によく出てたので、「劇団というところに入れば俳優になれるのかな」と思って、柄本さんがいるところに行ってみようと思ったのが始まりですね。

林:ご経歴、すごく変わっていて、進学してもやりたいことがないから、高校に行かずに中学でいいと思って、2万円持って東京に来たんでしょう? いまどきめずらしい話ですよね。

江口:うちはお金がなくて、お小遣いというものがなかったので、小学校の高学年から「高校には行かない」と決めてましたね。

林:親御さん、「高校ぐらいは行って」と言わなかったですか。

江口:ところが、うちのお父さんは行きたかった高校に行かず、第2志望の高校に行ったらしいんです。それがおもしろくない日々だったみたいで、「高校なんか行かんでええ」って私たちによく言ってたんですよ。だからいちばん上のお兄ちゃんも高校行ってないし、私が「行きたくない」と言ったら、「じゃ、行かんでええ」という感じでしたね。

林:江口さん、双子なんですってね。江口さんは妹さん?

江口:私が妹で、向こうがお姉ちゃんですね。

林:顔、似てらっしゃる?

江口:似てますね。おばあちゃんはいつまでも私がどっちかわからなかったし、お姉ちゃんも20代のころ東京にいた時期があって、たまたま柄本さんが通りがかって、「お、江口」ってお姉ちゃんに声をかけたり(笑)。

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