森本敏 (撮影/写真部・高橋奈緒)
森本敏 (撮影/写真部・高橋奈緒)

 安全保障問題のエキスパートで、元防衛大臣の森本敏さん。作家・林真理子さんの対談では、おもに対中国の防衛問題について、丁寧に解説してくださいました。

【林真理子さんとのツーショット写真はこちら】

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林:先生は私たち「エンジン01」(文化人のボランティア団体)のメンバーでいらっしゃいますが、私が委員長をしている教育委員会なんかで先生にお話しいただくと、政治や外交、そしてご専門の安全保障問題に関する「ここだけの話」が、ほんとにおもしろくて。

森本:アハハ。でも、「エンジン01」のメンバーは世の中を知り尽くしている人が多いので怖いですよ。

林:私たちだけで聞いてるのはもったいないなと思って、お忙しい中をお越しいただきました。もちろん、お話は差しさわりのない程度でけっこうですけど(笑)。

森本:差しさわりのない程度に(笑)。

林:最近は北朝鮮から日本海に向けてミサイルが飛んでくるし、中国は台湾を狙ってるというし、先生が防衛大臣をなさってたとき(2012年)より、アジアの緊張感が高まっている気がします。

森本:確かに、この10年で、情勢がまったく変わりました。中国が日本のGDPを追い抜いて、世界第2位の経済大国になったのが2010年。以来、中国は力による「現状変更」を試みています。香港を力で統治し、新疆ウイグルで人権弾圧をし、南シナ海では七つの人工島を軍事拠点化し、尖閣諸島周辺の日本の領海にも連日、侵入を繰り返すようになりました。中国にとって、次のテーマは、台湾統一だと思います。

林:なるほど。

森本:いま中国は「社会主義現代化強国」を目標に掲げ、最強の国を建設しようとしています。軍事的には、27年までにアメリカを追い越して、世界第一級の国になると言っています。経済力も、GDPで27年から28年にはアメリカに追いつくと思います。

林:あと5、6年で軍事力も経済力もアメリカに追いついて、世界一になるということですね。 

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