悪名高き銀行強盗ヒーロー（ニコラス・ケイジ）は、ひょんなことから捕まってしまい投獄される。サムライタウンでは、この世界を牛耳る悪徳ガバナー（ビル・モーズリー）が女をはべらせていたが、ある日、バーニス（ソフィア・ブテラ）といういちばんのお気に入りが逃げ出し、ゴーストランドへ紛れ込む。
そこから彼女を連れ戻すよう命じられたヒーロー。決められた時間内にサムライタウンに戻らねば、爆弾を仕掛けられたボディースーツが爆発し、自身の命が危ない！ ヒーローは果たして、バーニスを見つけられるのか？ そしてゴーストランドを脱出できるのか？ そしてサムライタウンはガバナーの手に握られたままなのか？
本作に対する映画評論家らの意見は？（★4つで満点）
■渡辺祥子（映画評論家）
評価：★★
ネガティブ・ヒーローと異能、園子温の組み合わせが生む滅茶苦茶。昔のアングラ芝居を思い出す古めかしい作りと肩に力の入った表現は、ハリウッド・デビューの気負いなんて意地でも見せない、という監督の見栄の表れ？
■大場正明（映画評論家）
評価：★★
マカロニウェスタン、サムライに遊郭、ママチャリにデコトラ、マネキンにゾンビもどき、唐突なコメディータッチに終末観。思う存分詰め込み、とっ散らかった世界に放り出されたニコラス・ケイジはどう見ても不完全燃焼。
■LiLiCo（映画コメンテーター）
評価：★★★
私は何を見せられたんだ！と不思議な一本に脳が刺激された時間。園監督と多くの日本人スタッフが外国人が好む日本風味の世界を作った。「冷たい熱帯魚」では内側の狂いだったけど、これは外側。美術と衣装にも驚いた！
■わたなべりんたろう（映画ライター）
評価：★★★
西部劇と時代劇を足して「マッドマックス」の世界観を混ぜ合わせたような内容。ニコラス・ケイジが園監督の持つ猥雑さに似合っている。海外資本の入った海外の俳優をメインに使った次作は、園監督の脚本を期待します。
（構成／長沢明［＋code］）
※週刊朝日 2021年10月15日号
沖昌之
小島よしお
しいたけ.
