一方、濱家は、相方の山内をこう見ている。

「俺はこう、これはやらん、これはやるっていう、それこそ柱がしっかりしている。芯は強いんですけど、頑固な強さとかじゃなくて、柔軟なんですよね。その瞬間、その瞬間に、今これやと思うことができるけど、それが間違ってたら、間違ってたっていう撤退が早いイメージですね。とにかく頭がいい」

 そんな絶好調の2人、かまいたちが、2年ぶりの単独ライブを9月25日に開催した。そのライブは、10月2日午後6時までオンラインで視聴できる。その名も「かまいたち単独ライブ2021『on the way』」だ。テレビにラジオに大忙しとなった今も、ライブにこだわる理由をこう話す。

「単独ライブをして、新ネタを作るっていうのが大事なんやろうと思います。いろいろなタイプの芸人さんがいますが、僕らは同じネタをずっとやっていると、お客さんも自分たちも飽きて、ネタのクオリティーがどんどん下がるタイプ。まだまだ若手にも負けたくないし。それがライブをやりたい理由かな」(山内)、「テレビも好きやし、ライブも好きやし。直にお客さん笑かすのが、やっぱり好きやから、ライブを続けたいというのはありますね」(濱家)

 なかなか新ネタをやる機会がなかったこの2年で、2人への期待や評価も爆上がり。ライブ成功へのハードルも上がっている。「かまいたちの新ネタって、どんなんやんねん!」という、注目度の高さもひしひしと感じているという。

 今回は、「スワイプビデオ」という技術を使って、「山内目線」「濱家目線」、真正面、上、左右など、さまざまな視線に、お客さんが自由にスイッチングできる仕掛けも用意した。

 目下の夢は「30億円稼ぐこと」(濱家)、「各局のゴールデン帯番組を日替わり制覇」(山内)という2人の新ネタが生まれる瞬間に、オンラインで立ち会えるチャンスだ。

 インタビューの終わるころ、山内の口笛が聞こえてきた。♪タラ~タラ~タ~……♪。「劇的ビフォーアフター」のテーマ曲だ。(ライター・福光恵)

週刊朝日  2021年10月8日号