一之輔、いつから傘を持つのが億劫になったのか? 子ども時代を回想 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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一之輔、いつから傘を持つのが億劫になったのか? 子ども時代を回想

連載「ああ、それ私よく知ってます。」

春風亭一之輔週刊朝日#春風亭一之輔
春風亭一之輔・落語家

春風亭一之輔・落語家

イラスト/もりいくすお

イラスト/もりいくすお

 落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は「傘」。

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 コロナ禍前、小池都知事が五輪会見でやたら推してたあの「被り笠」。その後、どうなったのだろう。ベトナムのお百姓さんが被ってそうな? あの笠。今はそれどころじゃないかんじですが、ちゃんと製作されて関係者に配られるのでしょうか。せっかくサンプルまで作ったのだから無駄にしないで頂きたい。あの頃はまだほのぼのしてて良かった。それにしても、いかに人類が進歩したとはいえ「傘(笠)」に関しては、「両手を空けるために頭に被る」くらいの工夫が我々には限界なようです。もっと頑張れ、人類。

 傘を持つのが億劫になったのはいつ頃からなんでしょう。いま、傘、ホントめんどくせえ。昔は雨降りで親から「傘、持っていきなさい」なんて言われると心弾んだもん。いま、傘、出来ればさしたくねぇです。

 子どもの頃は傘をさしたらクルクル回したでしょう? 雫を周囲に飛び散らしながら、長靴で水たまりにジャブジャブ入っていったでしょう? 友達にやられたらやり返して、笑いながら駆けだしたもんでしょう? 雨がやんだら、わざわざ水たまりに傘を浸してクルクルクルクル。乾いた塀に泥水を飛ばして絵を描いたり。知らない大人に撒き散らして怒られたり。傘はクルクル回すものでした。

 それに飽きたら傘を手のひらに立てて、何秒間バランスをとれるか競争してね。「よっ!はっ!」とか言いながら。今も寄席に行くと曲芸のオジサンが傘回したり、頭に立てたりしてますが、お仕事とはいえ楽しそうです。

 閉じた傘も子どもには十分に遊べます。地べたに絵や字を描くのも傘の先っちょ。チャンバラの真似事するのも傘。調子に乗ってガンガンやってたら傘の骨が折れて大目玉食らったっけ。マシンガンを抱える心持ちで「ダダダダダダーッ!」と右から左へぶっ放すと、端から「ウワーッ!」と撃たれた態で倒れていくお調子者たち。傘一本あれば色んな武器に早変わり。平和でいいやね。


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