後半、遠藤(中央奥)は左CKに頭で合わせチーム3点目のゴールを決める(C)朝日新聞社
後半、遠藤(中央奥)は左CKに頭で合わせチーム3点目のゴールを決める(C)朝日新聞社
前半、鎌田(9)がチーム2点目のゴールを決め、喜び合う日本代表の選手たち(C)朝日新聞社
前半、鎌田(9)がチーム2点目のゴールを決め、喜び合う日本代表の選手たち(C)朝日新聞社
韓国代表に快勝し喜び合う古橋(11)、遠藤(6)ら日本代表選手たち(C)朝日新聞社
韓国代表に快勝し喜び合う古橋(11)、遠藤(6)ら日本代表選手たち(C)朝日新聞社

 サッカー男子の国際親善試合で、日本代表が韓国代表と3月25日に日産スタジアムで対戦し、3―0と圧勝した。

「日韓戦で日本が韓国をここまで圧倒した試合は珍しい。スコアは3―0ですが、もっと大差の試合になってもおかしくなかった。日本はテクニックでは上回っていても、韓国が球際に強いため苦戦するケースが多かったですが、この試合では日本が球際の競り合いでもほとんど勝っていた。韓国がベストメンバーでないことを差し引いても、森保監督は大きな手応えをつかんだでしょう」(スポーツ紙のサッカー日本代表担当記者)

 確かに攻守で圧倒した試合だった。攻守の切り替えが早く、ボールを奪うと守備的なポジションの選手も一気に駆け上がる。前半17分に右サイドバックのDF山根視来(川崎)が日本代表デビュー戦で右足を振り抜いて先制ゴールを奪うと、司令塔の位置に入ったFW鎌田大地(フランクフルト)が前半27分に2点目を追加した。後半38分にはボランチのMF遠藤航(シュツットガルト)がコーナーキックをヘディングで合わせて3点目のゴールを突き刺し、勝負を決めた。

 宿敵相手に快勝したにもかかわらず、日本の世論は怒りの声が多い。その矛先は韓国のラフプレーに向けられている。

 問題の場面は2点リードの後半23分。MFイ・ドンジュン(蔚山現代)の振り上げた手がDF冨安健洋(ボローニャ)の顔面に当たり、冨安は口を抑えながら転倒した。

 DF吉田麻也(サンプドリア)が主審にイ・ドンジュンのラフプレーをアピールし、冨安も両手を広げて抗議したが、主審はファウルを取ることなくカードも出なかった。富安はピッチをいったん退いて数分後に戻ったが、口を裂傷して流血する映像が流れた。

「冨安は欧州で最も評価が高い日本人選手と言われています。スピードとパワーを兼ね備えたセンターバックで1対1に強く、ビルドアップ能力も高い。ボローニャでもレギュラーの座をがっちりつかみ、28節消化時点でボール奪取回数はリーグトップです。今回の肘(ひじ)打ちは一歩間違えれば大けがになった危険性もある。富安とイ・ドンジュンの身長差を考えると、あんなに肘を振り上げることに違和感がある。故意でないと主張しても、主審は厳しく対応するべきだったと思います。こういったアクシデントが起きると、ボローニャも富安を日本代表の親善試合に出したくないでしょう」(欧州のサッカー編集者)

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