※写真はイメージです (c)朝日新聞社
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『1日1杯 脳のおそうじスープ』(アスコム刊)から作成 (週刊朝日2021年3月12日号より)
『1日1杯 脳のおそうじスープ』(アスコム刊)から作成 (週刊朝日2021年3月12日号より)

 物忘れが多い、認知症かも……。そんな不安の原因は、脳にたまった“ゴミ”かもしれない。脳のゴミ掃除は、病院に行ったり、薬を飲んだりする必要はない。ゴミ出しに効く食材を取り、質の良い睡眠などを心がけることで、ゴミは取り除けるという。何歳からでも遅くはないが、継続が大事だ。

【脳のおそうじスープの“素” 詳しいレシピはこちら】

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 脳神経内科の内野勝行医師は「脳のおそうじスープ」を薦める。脳にゴミをためる原因となる活性酸素を除去するリコピンを含むトマトや、同じく抗酸化成分のアスタキサンチンが豊富な桜えびなど、脳の掃除に効果的な食材がたっぷり入ったお手軽料理だ。

 卵も優れた食材だ。炭水化物があまり含まれておらず、卵黄にはコリンという成分があり、脳内の重要な神経伝達物質であるアセチルコリンの材料になっているという。

 認知症予防の観点では発酵食もお薦めだ。

「アルツハイマー病患者には血管に問題がない人はいません。発酵食が血液をサラサラにする効果は臨床的にも証明されており、中でもベストは納豆です」(同)

 卵と納豆を組み合わせる際に、キムチも一緒に混ぜたい。血液をサラサラにする自然乳酸菌が多種類入っている。

「食生活を改善すれば、アミロイドβはゼロにできます。かつてオランダ人女性が115歳で亡くなり、脳を解剖するとアミロイドβがほぼなかったという結果がありました。つまりクリーンな脳を保てるということです」

 睡眠も脳の掃除に重要と説くのは、長尾クリニック院長の長尾和宏医師だ。アミロイドβは睡眠によっても減ることがわかっていて、睡眠不足が続くと排出が進まず、ゴミが沈着するという。

「睡眠は量だけでなく質も重視してほしい。深い眠りであるノンレム睡眠80分と浅いレム睡眠10分の計90分を5回繰り返した7.5時間が理想的な睡眠です」

 人によって最適な睡眠時間は異なる。良質な睡眠の判断材料は起床時の「よく寝た」「すっきりした」という熟眠感があるかどうかだという。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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