※写真はイメージです (GettyImages)
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税務署から目をつけられやすい例 (週刊朝日2021年1月29日号より)
税務署から目をつけられやすい例 (週刊朝日2021年1月29日号より)
主な所得控除の種類 (週刊朝日2021年1月29日号より)
主な所得控除の種類 (週刊朝日2021年1月29日号より)

 今年も「確定申告」シーズンがやってくる。この経費は認められるのか、もしかしたら税務調査の対象になるかもしれない。そんな不安を抱く人もいるだろう。税金のプロである元国税職員に本当のところを聞いた。

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実際、認められるかどうかの基準はグレーなものも少なくない。医療費もそうだ。医療費は年間10万円を超えた分は、医療費控除として納税額のもとになる所得から差し引ける。

 例えば、同じマッサージ代でも、治療が目的の場合は対象になるものの、疲れをとったり、体調を整えたりする目的だと認められない。その見極めは「医師の指示がある」など、やはり税務署に対して合理的な説明ができるかどうかだ。

 それでも、「認められるかどうか、判断に迷ったときも合理的な理由があれば申告すべき」と元国税調査官の松嶋洋税理士。「税務署も、ほかの職場と同じように人手や時間に限りがあります。より悪質な不正取引を見つけることに集中したいという思いや、『少額不徴収』という考え方もあります。経費を払ったという事実があって、合理的な説明ができるなら、認められやすい。税務署の指摘や税務調査を必要以上に恐れることはありません」

 税務調査の多くは、任意調査だ。あくまで本人の協力が必要で、強制されるものではない。

「税務当局の調査というと、国税局査察部による査察調査を思い浮かべる人も多いようですが、こうした強制調査は、悪質で巨額の脱税などのケースに限られます。大半の税務調査は、売り上げや経費が例年に比べて大きく異なるなど、書類だけで判断できないことを確認するために行うことが多い。実地調査を行う場合も、多くは事前に納税者と日程を調整します。税務署から連絡が来ても、慌てずに落ち着いて対応しましょう」(元国税専門官でフリーライターの小林義崇さん)

 とはいえ、いいかげんな姿勢ではいけない。佐川さんは、次のような人は税務署から目をつけられやすいと指摘する。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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