林:キム・ヨナさんと真央ちゃんの対決は、いつもハラハラドキドキしながら見てましたよ。「Number」の連載エッセーで、「キム・ヨナさんがいなかったら、私はここまでやれなかったかもしれない」と書いてありましたね。

浅田:ヨナ選手は素晴らしい選手です。同い年ですし、同じぐらいのスキルを持った選手だったので、13、14歳で初めて会ったときから、「これからシニアに上がっても、たぶんずっと一緒に戦っていくんだろうな」と思ってました。

林:お話ししたことはもちろんあるんですよね。

浅田:はい、あります。

林:それは英語で、ですか。

浅田: 英語だったり、ジェスチャーだったり。

林:真央ちゃん、英語はバッチリなんでしょう?

浅田:いえ、ぜんぜんバッチリじゃないです(笑)。あまり話せないので、ジェスチャーを多用してます。

林:子ども時代は、毎朝、学校に行く前に1時間半練習して、学校が終わってから夜の10時半まで練習してたんですよね。ごはんとかはどうしてたんですか。

浅田:朝ごはんは車の中で食べて、朝の練習が終わったら学校に行って、学校が終わったらお昼ごはんを車の中で食べて、夜ごはんはリンクで食べて、そのあとも練習という感じの生活でした。

林:お母さまの協力がなければできないですね。

浅田:本当にそうです。一日中車を運転して、姉(浅田舞)も一緒にスケートをやってたので、ずっとリンクサイドで見守ってくれて、という感じで。

林:高校時代なんか、学校が終わったあとにみんながカラオケ行ったり映画を見に行ったりするでしょう。私もやってみたいとは思わなかったですか。

浅田:それがあんまり思わなくて、学校よりも遊びよりも、スケートをしたい気持ちのほうが強かったんです。

林:ほぉ~、そうですか。クラシックバレエもお姉さんと一緒にやってたんですよね。バレエよりスケートのほうがおもしろかったですか。

浅田:はい。3歳からバレエとジャズダンスを始めて、5歳からフィギュアスケートを始めたんですけど、私は圧倒的にフィギュアスケートのほうが好きでした。バレエはじっとしていないといけなかったり、いろいろ決まり事があって、それが私にはつらかったんです。スケートは自由にジャンプしたりできるので、ハマっちゃいましたね。やればやるだけ次の技もできて、それが楽しかったし、あと、賞状とかメダルとかもらえるのも好きでした。

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