美しさといえば、「王の男」で見せた、イ・ジュンギ(38)の妖しさも捨てがたい。舞う姿では腰にあったほくろがなんともセクシーだった。初めて取材したのは、映画「フライ・ダディ」。撮影時に次々とポーズを決めていく。切れ長の美しい流し目にやられた。

 スポーツ万能のジュンギだが、その時に明かされた意外な一面が「高いところが苦手」だということ。この映画中に出てくるロッククライミングに苦しんだとか。

「撮影中は恐怖心を顔に出せないし、いったいどうやって登ったのか、まるで記憶にないんです」

 もしや女が「ギャップに弱い」って知って言っているのでしょうか。
 その後、兵役を終え、復帰後第1作の「アラン使道伝」(12年)の取材で再会。華奢なイメージだった彼が兵役後だからか、たくましく、スターとしての華やかさも備えていた。

 久しぶりのドラマの現場は不安だったものの、カメラの前に立った瞬間、

「別人のようになり、僕自身とても楽しむことができました。『やはり俳優をやっていて良かったな。僕にとって天職ではないか』と思いました」

 除隊後のイ・ジュンギとヒョンビンに会ったことで、韓流スターだからこそ漂う「男らしさ」に改めて気付かされた。

 韓流スターは圧倒的に素晴らしい低音ボイスの持ち主が多い。日本人と
の骨格の違いなのだろうか。何度低音ボイスにうっとりしたかわからない。その点でいえば、歌手出身の俳優は大きな強みかも。

 東方神起にいたパク・ユチョン(34)も見事な低音ボイスの持ち主だ。「トキメキ☆成均館スキャンダル」(10年)で落ちた女性は数知れずだが、その一因は彼の声にあるのではないか。筆者は東方神起がまだ5人の時に取材をしたことがあるが、ユチョンの低音ボイスは実にセクシーだった。韓国で薬物使用容疑で逮捕され有罪判決を受けたものの、今年4月にはグローバル公式ファンクラブを発足。今後の行方が注目される。

 ちなみに、5人組の東方神起の中で私が一番惹かれたのはチャンミン。聡明で礼儀正しくまだたどたどしい日本語を一生懸命話す姿に自然と口元が綻んだものだ。そんなチャンミンも数年後にインタビューすると、日本語はすっかりマスター。誠実さは相変わらずだった。その彼も9月に結婚とは。心から幸せになってほしい。

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イ・ジュンギが攻めるギャップ