打撃練習をするヤクルトの山田哲人=2月1日(C)朝日新聞社
打撃練習をするヤクルトの山田哲人=2月1日(C)朝日新聞社

 シーズン中にもかかわらず、9月3日に国内フリーエージェント(FA)権を取得したヤクルト・山田哲人の去就が注目されている。今オフに権利を行使すれば、巨人ソフトバンク楽天など複数球団の争奪戦になることは必至な状況だが、ヤクルトファンからは「移籍しても仕方ない」という声が聞こえてくる。

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 広島のリーグ3連覇に大きく貢献した丸佳浩が2018年オフに宿敵の巨人にFA移籍した際は、「がっかりしました。もう応援しません」、「よりによって巨人に移籍。裏切り者ですね」など過激なコメントがネット上で目立った。山田も前人未到の3度のトリプルスリー(打率3割以上、30本塁打以上、30盗塁以上)を達成したヤクルトの看板選手だが、丸のFA騒動の時とは取り巻く空気が異なる。もし、山田が今オフに他球団移籍を決断しても、ヤクルトファンからの風当たりはそれほど強くないだろう。

 東京都内在住でヤクルトファン歴20年の内田大和さん(32)も「移籍容認派」だ。その理由をこう話す。

「今のヤクルトは本気で強くなろうという姿勢が見えないからです。昨年、断トツの最下位だったのに、オフの目立った補強はエスコバーと楽天を戦力外になった嶋(基宏)ぐらい。投手陣が課題なのに、FAで美馬(学)の獲得に失敗し、新外国人のクック、イノーアも期待外れだった。思い切ったトレードもやらないし、現有戦力では苦しいですよ。バレンティンも優勝できる環境を目指してソフトバンクに移籍しましたが、山田も巨人やソフトバンクに移籍しても仕方ない」

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