同校ではタイBLドラマ流行の兆しを受け、「2Moons The Series」というドラマを題材に、タイ人女性講師が劇中のせりふや文化の違いなどについて解説する「タイのドラマを観る会」という特別レッスンを企画したところ、募集開始初日に満員となった。

 このように、「ドラマで登場人物たちが話すタイ語を聞き取りたい」「俳優たちのSNSのタイ語が読めるようになりたい」と、タイ語習得熱も高まりを見せるほどのブームになりつつある。都内在住の40代女性もその一人で、以前から何度も旅行に行くほどのタイ好きだったが、自粛中にタイBLドラマのとりこになってしまったと話す。

「タイ好きの友人が毎日のようにSNSで『2gether』を薦めてくるので、軽い気持ちで見始めたらどっぷりハマってしまいました。とにかく登場人物の顔が圧倒的にいい! しかも外見だけでなく、物語の世界観がよく作りこまれていて、俳優たちの演技もとても上手。自粛期間中の先行きが見えない閉塞(へいそく)感の中、画面を通して見えるタイの日常の明るさにもかなり救われたような気がします。そこで字幕ではなく、タイ語を直接聞き取れるようになりたくなりました。今は授業で習ったフレーズや単語が聞き取れた時の喜びが、タイ語学習の大きなモチベーションになっています」(40代女性さん)

 多くの女性たちを“沼”に沈めた「2gether」は、大学に入学したばかりの2人の男子大学生の物語。女の子にモテたいタインが、入学早々にゲイの同級生に一目ぼれされ、しつこくアプローチされてしまう。タインは、イケメンの同級生、サラワットに「偽装彼氏」になってほしいと頼み込む。無愛想なサラワットは冷たくあしらっていたが、最終的にタインのしつこい願いを承諾する。そして、いつしか2人の距離は縮まり……、という王道“胸キュン”ラブストーリー。

 まず目を引くのは、2人の「顔面偏差値」の高さ。タインを演じるウィン(メータウィン)さんは、笑顔が印象的で品の良さが漂う21歳。サラワットを演じる22歳のブライト(ワチラウィット)さんは、眼力が強くて彫刻のような美しさ。ファンからは“歩くルーブル美術館”などと評されるほど。

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日本では考えられないファンとの距離の近さ