どこまでも純粋な恋愛感情、サラワットのツンデレぶりに釣られる人が大半なのだが、それに加え、登場人物が脇役に至るまで魅力的で、ストーリー展開も巧み。話が進むにつれ、随所にちりばめられた伏線もきれいに回収され、最終的にはドラマ自体に魅了されてしまうという。

「タイのドラマは制作にすごく時間をかけます。撮影の前に役者同士がワークショップを行ってキャラクターを作り込みますし、監督の演技指導も丁寧で、映像表現にもこだわりを持っています。私もきっかけはBLドラマでしたが、今ではすっかりタイのドラマ自体のクオリティーの高さや面白さにハマっています」

 そう話すのは、タイドラマナビゲーターのみすれいんさん。2018年からタイBLドラマを見始めてタイ語を学ぶようになり、今ではドラマや俳優たちがSNSで流す動画の字幕をつけたり、ある俳優の日本ファンクラブ(非公式)を仕切ったりするほどに。BLものをはじめとする約50本のタイドラマをチェック済みだ。

「日本人女性にとってタイの男性といえば、『ネプチューン』の名倉潤さんのような濃い顔のイメージだったかもしれませんが、まさかタイにあんな美しいイケメンがたくさんいるなんて! とかなりの衝撃でした。しかもみんなすごく礼儀正しくて、ファンを大切にしてくれるんです」(みすれいんさん)

 タイの俳優はファンとの距離が近いのも特徴で、頻繁にファンミーティングイベントを行ったり、SNSでファンにリプライをくれたりすることもあるという。ドラマ完結後も、劇中でカップルを演じた俳優たちがSNSにツーショットをアップし、親しげに交流するところを見せてくれるので、ファンにとっては次々と垂涎(すいぜん)ものの燃料が投下されるようなもの。いつまでも“萌(も)え”が燃焼し続けられる構図が出来上がっている。

「タイの俳優たちはSNSを上手に活用して情報を発信し、出演したドラマの世界観を大切にしています。ファン側も彼らのプライベートに踏み込まず、節度を守って応援すれば、彼らと交流を持つことができます。私もタイに行き、ファンイベントに参加したことがありますが、あの距離の近さは日本では考えられません!」(みすれいんさん)

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