つまり、排水管を定期的に点検するなど、マンションの管理組合が正常に機能しているかどうかがポイントになる。メンテナンスがしっかりしていないと、日本でもアモイガーデンのように排水管に亀裂が生じかねない。SARSもコロナウイルスの一種であり、SARSで起こった“悲劇”は今回のコロナでも起こる可能性はあるのだ。

 国土交通省の分譲マンションに関する統計によると、18年末に築40年を超えたマンションが81万4千戸と、ストック総数の約1割を占めた。築30年超までを対象に広げるとすると、197万8千戸に拡大する。国交省は、これらのマンションの多くで、大がかりな修繕や改修が必要になるとみている。

 国内は経済活動を再開させ、渡航制限を緩和する動きも出てきた。新型コロナの流行が一段落したようにも映るが、これからの第2波、第3波の流行を警戒する声は少なくない。

 防災ネットワーク研究所の本瀬正和社長さんはこのため、マンションの感染予防対策として公的機関がガイドラインを示してほしいと訴える。住民側としても、自宅の扉を開けて一歩出た時点で、「外」だと認識しておく必要がある。

 予断を許さない状況が続くなか、あなたのマンションは大丈夫ですか?(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2020年6月26日号より抜粋