このリニューアルで最も成功した店舗の一つが、広島県の「ひろしまブランドショップTAU(タウ)」(銀座)だ。政府の緊急事態宣言を受けて5月6日まで臨時休業しているが、18年度に「北海道どさんこプラザ有楽町店」(当面臨時休業)に続いて売り上げ10億円超えの仲間入りを果たした。

 12年7月に開店し、リニューアルしたのは17年4月。1階の食品売り場のカフェコーナーで、「汁なし担々麺」を扱い始めた。鮮魚コーナーも設け、地元産品を毎日販売するようにした。来店者は18年度で95万人超。銀座という土地柄もあってシニア層が多く、平均して1500~2千円を使うという。

 プロ野球の広島カープが16~18年にセ・リーグ3連覇を果たしたことも、売り上げ増加につながった。TAUの担当者はこう話す。

「カープ女子などファンが増え、グッズ買いが定着しました」

 JCRDの畠田千鶴広報室長によると、最近の店舗のリニューアルは、顧客ニーズの変化を受けて「買うから体験へ」の対応や、増加するインバウンド(訪日外国人)の迎え入れのためでもある。徳島県の「TurnTable」(渋谷、当面の間、レストランは夜はテイクアウトのみ)は飲食や販売のほか、宿泊施設も備えている。

 一方、インターネットの活用にも力を入れている。JCRDが独立店舗(60店舗)を対象にして調査したところ、19年4月現在で、全体の75%が店舗以外での販売に取り組んでいる。

 例えば、18年度売上額1位の「北海道どさんこプラザ有楽町店」には、ネットショッピングのサイトがある。店舗に立ち寄らなくても、北海道の物産を気軽に購入できるようにしている。山梨県の「富士の国やまなし館」(日本橋、5月6日まで臨時休業)のホームページにもオンラインショップ「やまなし館」があり、ワインなどの特産品を購入できる。また、無料通信アプリ「LINE(ライン)」でクーポンを配信しているところもある。

次のページ