赤木俊夫さんが残した自筆メモ
赤木俊夫さんが残した自筆メモ

 ついに「パンドラの箱」が開くのか? 森友学園への国有地売却で財務省近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54)が自殺したのは、公文書改ざんに加担させられたからだとして、赤木さんの妻が国と佐川宣寿・元同省理財局長に計約1億1200万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。

【画像】近畿財務局の赤木俊夫さん手記全文公開

 自民党幹部はこうボヤく。

「安倍首相はこれまで加計学園や桜を見る会など、多くのスキャンダルがあった。だが、最も痛手だったのは、森友問題。首相や妻の昭恵夫人が関与していれば、首相も国会議員もやめると宣言してしまった。今回の提訴で、問題が再燃すると大変なことになる」

 森友問題が2017年、国会で追及されるさなか、赤木さんは文書の改ざんを命じられ、妻に「内閣が吹っ飛ぶようなことを命じられた」と打ち明けていた。同年7月にはうつ病と診断され、仕事に行けなくなり、「検察がいる」「僕は犯罪者や」などと繰り返し、18年3月に命を絶った。

 一方、安倍政権にはこの当時、心強い「官邸の門番」がいた。定年延長問題で注目された東京高検の黒川弘務検事長が、法務事務次官だったのだ。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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