「森友問題では、首相、昭恵夫人や佐川氏ら財務省幹部が検察庁に刑事告発されたが、すべて乗り切っていた。しかし、黒川氏が東京高検検事長に転出すると、昨年末には秋元司衆院議員がカジノ疑惑で逮捕。3月には河井克行前法相、妻の案里参院議員の公職選挙法違反事件で秘書ら3人が逮捕された。官邸が強引に黒川氏を検事総長に据えようとしたことが、現場の反発を招き、逆効果となった。広島地検は案里議員の連座制の適用を求め、広島地裁に『百日裁判』を申し立てる可能性が高い」(司法関係者)

 赤木さんの残した「遺書」と公文書改ざんの経緯を記した「手記」には多くの財務官僚の名前がある。裁判で新証拠が出れば、新たな告訴が出て検察庁が再捜査という展開もありうる。

「安倍首相は森友問題を突っ込まれると、過剰反応してしまう。コロナ対応も芳しくないし、展開次第で一気に政局になるかもしれない」(前出の幹部)

(今西憲之)

週刊朝日  2020年4月3日号

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大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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