料金が上がる東京ディズニーランド (c)朝日新聞社
料金が上がる東京ディズニーランド (c)朝日新聞社
値上がりする主な商品やサービス (週刊朝日2020年3月13日号より)
値上がりする主な商品やサービス (週刊朝日2020年3月13日号より)

 新年度からの進学や転勤に向けて、本来はいろいろ買い物をしたい時期だが、今年は様子が異なる。新型コロナウイルスの感染が広がり、経済が全体的に混乱しているのだ。

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 マスクは店頭から消え、洗濯機や冷蔵庫といった家電にも品不足は広がりつつある。中国からの輸入が減って、値上がりが懸念されるものもある。

 日本にとって中国は野菜の最大の輸入元。農林水産省によると2月2~8日の1週間でタマネギやネギ、ニンジンの輸入量は前年同期に比べて7~8割も減った。在庫があり、国内産が豊作だったこともあって価格はまだ抑えられているが、長期的には値上がりが見込まれる。中国産の野菜は加工食品や業務用に大量に使われており、様々な食品や外食の値段が上がりそうだ。江藤拓農林水産相も会見でこう述べた。

「輸入が少ない状況が長期化すると、国内の供給体制も含めてしっかり見ていかないと、価格的に混乱が生じる可能性もある」

 こうしたコロナショックによる品不足や値上がりが心配されるなか、4月からはほかにも値上がりが目白押しだ。

 娯楽のための入場・入園料も続々と上がる。東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの料金は4月1日から上がり、「1デーパスポート(1日券)」の大人は8200円になる。65歳以上が対象の「シニアパスポート」は値上がり幅が800円と大きく7600円。両施設の料金は税込みで、昨年10月の消費増税時にも小幅に値上げしていた。

 東京国立博物館の常設展観覧料(一般)は620円から1千円に。京都、奈良、九州の各国立博物館も上がる。旭山動物園(北海道旭川市)や、昨春できたムーミンバレーパーク(埼玉県飯能市)、東京タワーや京都タワーなど人気スポットも値上げを予定する。

 一足先に上がったのがタクシー。25都道府県の48地域で2月1日から料金が変わった。東京・多摩地区などでは初乗り運賃が引き下げられたが、1キロ当たりの料金で比べると実質的に値上がりしている。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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